甘さ控えめスイーツも美味しそうです


 ルシアの試作品のケーキをたっぷり堪能した一同。とてもご機嫌な面々の中で、約一名、少しばかり浮かない顔をしている者がいた。ラジだ。

 最初のタルトこそ生地が美味しいと食べきったラジだが、やはり甘い物が苦手な彼にはなかなか酷な作業だったのだろう。別に不味いとは言わないが、胸焼けに近い感じになっていた。

 それならそれで無理に食べなければ良いのだが、試食会に呼ばれたのだから一口は食べなければならないだろうと頑張ったのだ。その辺り、ラジはとても真面目さんだった。ルシアは何度も無理をしなくて良いと言ったのだが、当人がそうは出来なかったのだ。

 なお、ラジが食べられなかった分は、ヘルミーネとブルックの二人が美味しくいただいた。主にブルックの胃袋に消えていった感じだ。甘味大好きな大食漢の剣士殿の胃袋は、まだまだ余裕があるらしい。


「ラジさん、大丈夫ですか?」

「あー……、お気遣いなく。水を飲んだら落ち着いてきたので」

「それなら良いんですけど……」


 自分が試食会に招いたので、無理をさせたのではと心配そうなルシア。けれどラジは自分の判断で選んだので、気にしないで欲しいと再三繰り返している。

 ちなみに、ラジは胸焼けしているし、悠利は何だかんだでお腹がいっぱいになっているのだが、ヘルミーネとブルックは正規品を注文して食べていた。せっかく《食の楽園》に来たのなら、食べたいものを食べてから帰ろうと思っているらしい。胃袋が強すぎる。


「ブルックさんはともかく、ヘルミーネ、よく食べられるよね……?」

「え?」

「僕、美味しかったけど流石にお腹いっぱいだなぁ」

「何言ってるのよ。甘い物は別腹なのよ?」

「……そっかー」


 僕の胃袋はそうなってないなぁ、と悠利は小さく呟いた。いっぱい食べていつもよりぽっこりしている気がするお腹を、何度も撫でている。どう考えても別腹にはならなかった。

 というか、別腹という表現を使うのならば、それは食事をした後にスイーツを食べる場合になるのでは?と思った。ヘルミーネはケーキばかり食べていたのに、まだ入るのだ。意味が解らない。


「ヘルミーネの別腹、随分大きいんだね」

「ルシアのケーキは美味しいもの。いくらでも食べられるわ」

「解る。これだけ美味だと、メニュー全制覇も容易い」

「全制覇はちょっと無理ですけど、いっぱい食べられるのは私も同じです!」


 悠利の言葉に、ヘルミーネは満面の笑みで応えた。それはもう、晴れやかで素晴らしい笑顔だ。美少女の無邪気な笑顔、プライスレス。

 そんなヘルミーネにブルックは淡々と同意する。ルシアが提供しているスイーツメニューはそれなりの数があるのだが、大食漢のブルックにかかれば全制覇も容易いのだろう。平然と言っている。

 ヘルミーネの胃袋では全制覇は無理だが、それでも料理よりは食べられるのは事実なのだろう。うきうき笑顔で追加注文を考えているぐらいなので。

 そんな二人のやりとりを聞いていたラジが、疲れたような声でぼそりと呟いた。


「……スイーツ全制覇……」

「ラジ、何で考えちゃうの……」


 まるで何か恐ろしい魔物について語るような声音だった。うっかり想像してしまったのだろう。脳裏に大量のスイーツを思い浮かべたラジが、それだけで胸焼けを起こしたのか呻いていた。

 苦手なものを自分から想像してどうするのとツッコミを入れる悠利だが、一応ラジを労っている。彼が頑張ってくれたことも知っているからだ。

 口直しにどうぞとルシアが用意してくれたサンドイッチを、悠利はラジの前に置く。とりあえずこれでも食べなよという意思表示に、ラジは頷いた。口の中に残る甘さを、サンドイッチで消してしまえば幾分楽になるかも知れない。多分。

 しっとりとした食パンに、ハムとレタスが挟んであるシンプルなサンドイッチ。食べ慣れた感じのその味に、ラジは癒やされていた。ルシアのスイーツは確かに美味しいが、やはり甘い物が苦手な彼には落ち着かなかったのだ。食べられないわけではなかったのだが。

 そこでふと、ラジは思ったことを口にした。


「ルシアさん、甘くないスイーツって作れないんですか?」

「え?」

「甘さ控えめのスイーツがあったら、僕みたいに甘い物が苦手でも食べられるなと思ったんですが」


 ラジの提案に、ルシアは不思議そうな顔をした。スイーツというのは基本的に甘い物だ。甘味を求めて食べに来るのだから、それで間違っていない。その根本を否定するようなラジの言葉に、彼女が混乱したのも無理はない。

 美味しくプリンを食べていたヘルミーネが、唇を尖らせてツッコミを入れる。


「何言ってるのよー。スイーツは甘いから美味しいのよ?」

「解ってる。それは解ってるから、怒るなヘルミーネ」

「じゃあ、何でいきなりそんなトンチンカンなことを言い出したのよ」

「食べに来る客の全てが、甘い物が得意とは限らないだろ」

「へ?」


 首を傾げるヘルミーネに、ラジは説明を続けた。その説明は実に的を射ていた。スイーツが好きで食べに来ている面々にとっては落とし穴のような思考だった。


「この店でスイーツを目当てにやってくるのは、基本的に女性客だと聞きました」

「えぇ、女性のお客様が多いですね。ユーリくんみたいに自分が食べるために来てくださる男性客もいますけど」

「大半の男性客は、女性の付き添いだとしたら、その彼らが食べやすいスイーツがあればと思ったんです」

「あ……」


 ラジの言葉に、ルシアは驚いたように目を見開いた。ラジの言い分はこうだ。

 家族や親しい女性と一緒に来店した甘い物が得意では無い男性客に、彼らでも食べやすいスイーツを提供することで皆が楽しく来店出来るのではないか。

 また、別に男性客に絞らなくとも、甘い物が苦手な女性もいるだろうし、口直しとして甘さ控えめのスイーツは好まれる可能性はある。そういった層にアピールするための、甘さ控えめのスイーツはどうだろうか、と。

 完全に盲点を突かれたルシアは、ぱちぱちと瞬きを繰り返している。甘味が大好きなヘルミーネとブルックは何を言っているのか解らないという顔をしているが、悠利はなるほどと頷いていた。口直しはありがたいし、皆が楽しめる可能性を作るのは良いことだ。


「確かに、それは一理ありますね。今まで考えもしませんでした」

「普通は甘いスイーツを求めて来店すると思うので、それで普通だと思います。ただ、仮に付き合いで来店したとしても、そこで食べやすいスイーツがあれば嬉しいなと思っただけなんです」

「新しい視点をありがとうございます。良ければ、アイデア出しに付き合っていただけますか?」


 差し出がましいことを言っただろうかとラジが若干申し訳なさそうにしているのに対して、ルシアは晴れやかな笑顔だった。自分が気づいていなかった視点を教えて貰えて、感謝している顔だ。

 ヘルミーネとブルックは、相変わらずよく解っていなかった。彼らにとってはルシアの甘くて美味しいスイーツを食べるのが至福なので、わざわざ甘くないスイーツを用意して貰う意味が理解出来ないのだ。

 それでも、別に邪魔をしない程度には空気を読んでいた。もとい、自分達に関係の無い話題だと理解して、二人揃って目の前のスイーツに集中していた。美味しいスイーツを堪能する方向に切り替えたらしい。

 付け加えておくが、彼らは試食会で山盛りスイーツを食べている。新作ケーキは幾つもあったのだ。その中から商品化されるのは一部かもしれないので、この機会を逃してなるものかと全部食べていた。

 つまり、彼らの胃袋にはそれなりのスイーツが収まっている筈なのだ。それなのにこの食欲。甘い物は別腹と言うが、甘い物ばかりで腹を満たしている筈なのにどうなっているんだという感じだった。もはやツッコミを入れるのも面倒なので、誰一人何も言わないが。


「甘さにも色々な種類があると思うんですが、どういう甘さが苦手ですか?」

「僕はクリームや砂糖の甘さはあまり得意じゃないです。果物の甘さは平気なんですが」

「それなら、味を果物主体にすればまだ食べやすいということでしょうか?」

「あくまで僕は、ですが」


 ルシアの質問に、ラジはあくまでも一個人の感想だというスタンスを崩さずに答える。ルシアもそれは解っているので、参考の一つにするだけだ。

 そんな二人の会話を聞きながら、悠利は今日食べたケーキを思い出す。ラジが比較的普通に食べていたのは、クリームが少ないものや、チーズ系だった。確かに、他に比べれば甘さ控えめだった気がしなくもない。


「ラジ、チーズっぽいのは平気だったよね」

「チーズは食べる」

「あと、カスタードクリームは微妙だったけど、生クリームはそこまで反応しなかった気がするんだけど」

「食べてみたら、そこまで甘くなかったからな」


 悠利の質問に、ラジはきっぱりと言い切った。カスタードクリームは基本的に甘いものだが、生クリームは店によって趣が異なる。ルシアが作る生クリームは、牛乳の味を生かした甘さ控えめなのだ。

 ルシア本人はそのことに気づいていないのか、不思議そうな顔をしている。他店に比べて自分の作る生クリームが牛乳の風味を生かしていることを、彼女は知らないらしい。

 なので、悠利が説明を買って出る。


「ルシアさんの作る生クリーム、他のお店より砂糖が少ない印象なんです。牛乳の風味が生きてるというか」

「そうかしら?一応甘さも考えて作っているのよ?」

「はい、知ってます。でもラジが食べられたってことは、甘さ控えめですよ」


 にこやかな笑顔で悠利が告げると、ラジがこくりと頷いた。

 ラジは当初、目の前に生クリームたっぷりのロールケーキが出てきて、怖じ気づいたのだ。生クリームは甘い物だと知っているので、あんまり食べられないな、と。

 けれど、いざ食べてみれば牛乳の風味が生きており、そこまで甘くはなかった。……まぁ、代わりのようにロールケーキの生地の方がちょっと甘かったので、そこでラジはギブアップしそうになったのだが。余談である。


「つまり、生クリームももう少し甘さ控えめにして作れば、食べやすくなるかもってことかしら?」

「少なくとも、カスタードクリームよりは食べやすいものが出来るんじゃないかと思います。カスタードは濃厚さが売りですし」

「そうなのよねぇ。カスタードはやっぱり、濃厚な旨みと甘さが魅力だと思うから、あんまり薄味に出来ないの」


 どうしたら良いかしら?と真剣に考えるルシア。ラジは知識もアイデアもないので、とりあえず大人しく黙っている。悠利はそんなラジが何を食べていたのかを参考に、ルシアと意見交換をしている。


「さっぱり系のチーズケーキとかどうでしょう?オレンジとかレモンの風味を利かせる感じで」

「砂糖を控えめにして、果物の味とチーズで調整する感じかしら」

「そんなイメージです」


 真剣な顔で相談をしている悠利とルシア。甘い物が苦手なラジが告げた、チーズと果物は平気という意見を参考にしているのだ。

 普段は甘くて美味しいスイーツの新作を考えているルシアだけに、意識を切り替えるのはなかなか難しいらしい。

 けれど、来店する全てのお客様に喜んでもらえる可能性を知った彼女は、やる気に満ちていた。そして、そんなルシアを悠利は応援する気満々なのだ。仲良きことは美しきかな。


「キュイ」

「……ん?ルークス、何してるんだ?」

「キュ?」


 床掃除を終えて大人しくしていた筈のルークスの声が聞こえて、ラジが問いかける。彼の視線の先では、ルークスがうにょーんと身体の一部を伸ばしてテーブルの上の食器に触れていた。

 そしてそのまま、呆気に取られているラジの目の前でぱくんと食器を飲み込んでしまう。ごろんごろんと体内で動かした後に取り出して、そっとテーブルに戻す。その繰り返しだ。

 ……つまるところ、ルークスは皆が食べ終わった食器を自主的に綺麗にしていた。暇だったのかもしれない。


「……一応聞くが、頼まれたわけじゃないよな?」

「キュー?」

「自発的にこれをやるとか、本当に規格外……」


 何のことー?と言いたげに身体を傾けるルークスに、ラジはがっくりと肩を落とした。愛らしい見た目を裏切るハイスペックは今日も健在だった。

 ラジがこんな反応をしたのには、意味がある。従魔になるような魔物達は比較的理性的だが、それでも知能レベルは個体差が大きい。そして、スライムはそこまで賢い種族ではないのだ。

 少なくとも、ルークスの見た目から想像される下級から中級のスライムでは、ここまでの賢さは存在しない。命令されもしないのに、自発的に自分に出来ることを考えて行動するなど、どう考えても規格外だ。

 ただし、ルークス本来のスペックを考えればその程度のことは当然だった。見た目は愛らしいサッカーボールサイズのスライムだが、その本性はエンシェントスライムと言われるレア種であり、その中でも突然変異に該当する変異種。更に付け加えるならば、生まれつき能力が桁外れに高い名前持ちネームドでもある。

 ……どう考えてもオーバースペックだ。


「いや、手伝いが出来て偉いな、ルークス」


 不思議そうに見上げてくるルークスを、とりあえずラジは褒めた。手を伸ばして撫でてやれば、嬉しそうに身体を揺らす。ルークスは褒められると解りやすく喜ぶのだ。

 掃除と生ゴミ処理は自分の仕事だと思っているルークスなので、ここでも仕事をしようとしたのだろう。悠利とルシアが真剣に話し込んでいるので、確認を取るのは後回しにしたらしい。

 あーでもない、こーでもないと甘さ控えめのスイーツについて相談している二人は、とても楽しそうだ。話している内容のほとんどはラジには意味の解らないことだったが、一応聞き耳は立てている。どのタイミングで意見を求められるか解らないからだ。

 とりあえず、サンドイッチの残りを食べるラジ。甘い物ばかりを食べ続けて幸せそうなヘルミーネとブルックの気持ちは、彼には解らない。このサンドイッチの方がずっと美味しく感じられる。

 とはいえ、ルシアの作るスイーツが不味いかというと、そうでもない。ラジが苦手意識を持たずに美味しいと思って食べることが出来たケーキもある。ただ、量を食べると胸焼けしてしまうだけで。

 誰もが好む味付けは存在しない。だから、誰もが美味しく食べられるスイーツも存在しない。

 けれど、ラジのような甘い物が苦手な人々でも美味しく食べられるスイーツがあれば、それは新しい可能性になるはずだ。少なくとも、この店に同行する、あまり甘い物が得意ではない人々に喜ばれることは間違いない。

 実際、ラジがそうだ。《食の楽園》の雰囲気は嫌いではないし、皆が楽しそうに食べている空間に混ざるのも嫌ではない。その中で、自分も彼らと同じように美味しいと思ってスイーツを食べられたら楽しいだろうなと思ったのだ。

 そんな個人的な我が儘から出た意見を、ルシアは真剣に受け止めて考えてくれている。立派な人だなとラジは思った。自分の仕事に誇りを持って、出来ることを必死に模索する姿は尊敬に値した。


「ラジ、どうかした?」

「え?あぁ、ルシアさんもユーリも一生懸命だなと思って」

「甘さ控えめ美味しいスイーツが作れたら、女性人気も出るだろうって思って」

「何で女性人気?」


 そこは男性人気じゃないのかとツッコミを入れたラジに、悠利は大真面目な顔で言い切った。


「ラジ、甘さ控えめの場合は砂糖が少なくなるよね」

「なるな」

「必然的に、カロリーが減ると思う」

「…………うん?」

「ヘルシーなスイーツになると思うんだ、僕」

「あ」


 厳かに告げられた言葉に、ラジは小さく声を上げた。

 カロリー。それは体重を気にする女性の天敵である。そしてそのカロリーは、揚げ物とか甘い物とかの美味しいものにいっぱい含まれている。

 もしもそのカロリーを減らすことが出来て、更に美味しいスイーツなんてものが作れたら。どう考えても、美容と健康を気にする女性達に注目されること間違いなしだった。新しい可能性過ぎる。


「これは甘さ控えめスイーツだから食べても大丈夫、みたいな思考になると思うんだよね」

「僕は時々、お前の頭の中が解らない。何でそんな女性心理が解るんだよ」

「え?家族の口癖だったから」

「……家族の口癖?」


 何だそれ、とラジが不思議そうに問いかければ、悠利はけろりと答えた。


「僕、姉が二人に妹が一人なんだよね。だからそういう話題が多くて」

「物凄く納得した」

「後、レオーネさんもそういうこと言ってたし」

「そこにあの人を入れるのはちょっと待て」

「え?何で?」

「何でって……」


 悠利の姉や妹が言っていた内容ならば女性心理として間違ってないと思ったラジは、最後にぶっ込まれた美貌のオネェの名前にツッコミを入れた。

 確かにレオポルドは並の女性以上に美容と健康に気を配る素敵なオネェさんだ。胃袋は男性なのでそれなりによく食べるし、スイーツにも目がないのにすらりとしたスタイルを維持している。その彼の発言ならば説得力はあるかもしれないが、混ぜないで欲しいと思ったラジだった。

 ルシアはそんな二人の会話をにこにこしながら聞いている。レオポルドは店の常連さんでもあるので、彼女とも面識がある。どんな人物か解っているだけに、悠利の発言を普通に受け入れているのだろう。


「でもほら、甘さ控えめのスイーツは、色んな人が美味しく食べられそうじゃない?」

「それはまぁ、解るけど」

「試作品が出来たら、味見役はラジだよ」

「僕なのか!?」

「だって、ラジが食べられるかどうかっていうのが、基準の一つだもん」

「……そうか」


 言い出しっぺの法則が盛大にラジの頭に突き刺さった。自分が言い出したのだから、味見で確認するのは仕方ないと割り切るべきなのだろう。

 ラジががっくりと肩を落としているのは、別に試食するのが嫌だからではない。自分に食レポが出来ないのが解っているので、上手に感想が伝えられないと思っているだけだ。頑張ったルシアに報いれないという意味で。

 しかし、そんなことは最初から解っているので、悠利もルシアも気にしない。彼らにとって重要なのは、ラジが食べられるかどうかなのだから。


「試作品が完成したときには、試食をお願いしますね」

「頑張ります」

「ルシア!それ、私も食べたい!」

「はいはい。勿論ヘルミーネにもお願いするから、安心してね」

「やったー!」


 ルシアの新作を食べる権利を獲得して、ヘルミーネはご機嫌だった。彼女はルシアのスイーツの大ファンかつルシアの友人なので、割りとそういう機会に恵まれるのだ。ルシアも感想を欲しがっているので、どちらにとっても得しかない。

 そんな風に大はしゃぎするヘルミーネを、ブルックが静かな表情で見ているのだった。……そこで自分も混ぜろと言い出さない程度には、一応大人なブルックさんでした。




 賑やかな試食会後の団欒は、新たなスイーツの可能性を求めてまだまだ続くのでした。楽しそうで何よりです。




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