雨の日は皆でのんびりとあやとりを。


「むー。暇だよー」


 リビングのソファの上で膝を抱えて座りながら、ぐでぐでしているのはレレイだ。だがしかし、他の面々もぐでーんとしている。それも仕方のないことで、本日は大雨だった。窓の外はどしゃ降りで、とてもではないが外出なんて出来そうにない。

 勿論、冒険者でもある彼らは、悪天候の中で修行をすることもある。だがしかし、特にやらなければならない修行がなければ、無理に外に出ることもない。体調を崩してその後の修行に影響を及ぼしては困るので。

 座学のお勉強がある見習い組は、先生役のジェイクに課題を出されてそれぞれ部屋で勉強中だ。訓練生組は特に急ぐ座学はないらしく、完全に降って湧いた休暇みたいになっている。これで大雨でなければ買い物ぐらいには出掛けるのだが、それも難しい。

 なお、例外は物作りコンビで、外出予定がなくなった彼等は、その瞬間にそれぞれがお世話になっている工房へすっ飛んでいった。大雨も何のその。時間が空いたのならばそれを職人としての鍛錬の時間にするという考えだった。

 そんなわけで、《真紅の山猫スカーレット・リンクス》のリビングでは、暇を持て余した若手達がぐでぐでごろごろしているのでした。勿論そこには悠利もいた。


「暇なら本でも読めば?」

「やだー。本飽きるー。眠くなっちゃうー」

「……レレイさん」


 落ち着きのないレレイに、呆れたように声をかけたのはアロールだった。僕っ娘の十歳児は、暇つぶしと称して本を読んでいる。外に出られないなら出られないなりの時間の潰し方を理解しているのだ。

 そのありがたいアドバイスを、レレイは一刀両断した。無理無理とぱたぱたと顔の前で手を振りながら、実に解りやすい返答だ。あまりにもきっぱりと言い切るものだから、近くで聞いていたイレイシアが困ったようにため息をついている。だがしかし、当人はどこ吹く風だった。

 そのイレイシアはと言えば、楽器の手入れをしていた。雨が降れば湿度が上がるので、楽器はものによっては手入れをきちんとしないと音がおかしくなるのだ。吟遊詩人のイレイシアにとっては重要なことである。


「アロール、止めとけ。そいつ、座学の教科書ですぐに寝る奴だから」

「……脳筋への道をまっしぐらじゃん」

「俺もそう思うんだけど、当人だけが認めないんだよなぁ」

「あたしバルロイさんと一緒にはなりたくないもん!」

「僕としてはもう無理じゃないかと思う」

「俺もそう思うが、出来ればバルロイさん2号にはならないでほしい。主に俺の負担がしんどい」


 護身用の短剣の手入れをしているクーレッシュが口を挟むと、アロールが呆れたように呟く。二人のやりとりを聞いたレレイが叫ぶが、アロールもクーレッシュも諦めたような反応だ。

 なお、色々と切実な思いを含んだクーレッシュの言葉に、レレイは首を傾げた。当人はよく解っていないが、レレイがバルロイ2号になるとしたら、その隣にはアルシェット2号と呼ぶべきツッコミ役が必要になる。現状、その最有力候補はクーレッシュである。彼が望むと望まざると。

 そんなクーレッシュの悲哀を理解しつつも、アロールはさらりと言い切った。


「まぁ、飼い主頑張れば?」

「嫌だよ!どう考えても振り回されるだけじゃねぇか!」

「ウルグスはマグの飼い主やってるし、クーレはレレイの飼い主やることになると思うんだけど」

「やらねぇよ。後、ウルグスも別に飼い主やってるつもりはないと思うぞ」

「でもあれ、どう見ても通訳って言うより飼い主だし」

「……まぁ、な」


 アロールの言葉をクーレッシュは否定できなかった。少なくとも、ウルグスとマグのやりとりは、気ままな猫とその首根っこを引っつかんで面倒を見ている飼い主みたいな感じなので。けれど、自分がそれと同じ枠には収まりたくないなぁと思ってしまうのも事実だった。

 そんな風に賑やかに雑談に講じている仲間達を見ていたヘルミーネは、ちらりと傍らの有利を見た。鏃の手入れをしていたヘルミーネの隣で、悠利は何やら奇妙なことをしていたのだ。


「ねぇユーリ、それ、何してるの?」

「え?何って、あやとり」

「あやとりって、なぁに?」

「アレ?この辺にはあやとりってないのかな?紐を使った手遊び、かなぁ?」


 ヘルミーネの問いかけに、悠利はきょとんとした。彼が手にしているのは細い三つ編みみたいになっている毛糸で編んだ紐で、それを使ってあやとりをしていたのだ。つまりは、暇なので手遊びをしていたということになる。

 やらなければいけない家事を終わらせた悠利も、大雨でどこにも行けないので暇つぶしとしてあやとりをしているのだ。久しぶりにするので、ところどころ手順を忘れていたりするが、手を動かしている間に思い出していくのが楽しかった。

 そんな風に悠利はのんびりと一人遊びをしていたのだが、ヘルミーネにしてみれば「紐で何してるの?」ということになる。この辺りにはあやとりの文化はないらしい。


「それ、手遊びなの?何かを作ってるわけじゃないの?」

「形を作って遊ぶんだよ」

「へー。ユーリ、器用ねー」


 話している間も指を動かしてあやとりを続けている悠利の手元を見ながら、ヘルミーネが感心したように呟く。ひょいひょいと両手の間で紐を動かし、指に引っかけ、ときに絡めるようにして形を作っていくのは、器用としか表現出来なかったのだ。

 そこでふと、ヘルミーネが悠利があやとりに使っている紐を見て首を傾げる。


「ねぇ、ユーリ。手遊びなら別に普通の紐でも良いんじゃないの?何でその紐は編んであるの?」

「あ、これはね、こうやって編んだ紐でやると絡まったときに解きやすいからだよ」

「ユーリが編んだの?」

「うん」

「へー。三つ編みみたいで可愛い」


 ぱらりと紐を手から解いた悠利は、くしゃくしゃと紐を丸めたり絡めたりしてから、掌の上で広げてみせる。結び目が出来ている部分も、編んでいるので完全にくっつくわけではないからから、しゅるりと解くことが出来る。これがただの紐だった場合は、うっかり引っ張るところを間違えると固結びみたいになってしまって、解くのが一苦労なのだ。

 あやとりというのは紐を交差させたり絡めたりして遊ぶので、失敗すると変な結び目が出来てしまうことがある。そういったときに、解けなくてイライラしなくて済むように、こうやって編んだ紐で遊んでいるのだ。


「このかぎ針を使って編むんだけどね。お祖母ちゃんに教えて貰ったんだ」

「ユーリのお祖母ちゃんは、ユーリみたいにお裁縫が得意なの?」

「お裁縫っていうか、編み物が得意なんだ。これは毛糸を一本の紐に編んでるだけなんだけど、お祖母ちゃんはレース編みとかもやってたよ」

「レース編みって結構大変よね」

「大変だよねー」


 真顔になるヘルミーネに、悠利も真顔になった。別にレース編みに限ったことではない。編み物は基本的に何でも大変だ。根気が必要な作業であるし、一つ網目を間違えたら解いてやり直しになったりする。

 興味深そうに手元の紐を見ているヘルミーネに、悠利は笑顔で問いかけた。


「ヘルミーネも、あやとりやってみる?」

「え?」

「紐ならまだいっぱいあるし」

「待って。何でそんなにいっぱい出てくるの」


 魔法鞄マジックバッグになっている学生鞄から悠利が取りだしたのは、色取り取りの紐だった。いずれも悠利が使っていたものと同じように、一本の三つ編みみたいに編まれている。かぎ針で悠利がせっせと編んで作ったものだ。

 しかし、まさか鞄から10本も出てくるとは思っていなかったヘルミーネは思わずツッコミを口にしていた。彼女は悪くない。暇つぶし用の道具としか思えないものが、そんなにたくさん出てくると思わなかっただけなのだ。

 そんなヘルミーネに対して、悠利はきょとんとした。


「暇つぶしに作ったから」

「それ作るのも暇つぶしだったの!?」

「うん。真っ直ぐ一本に編むだけだから、考え事しながらする作業に丁度良かったんだよねー」

「……考え事の暇つぶしで紐を編まないでよ……」


 がっくりと肩を落とすヘルミーネ。どうかしたの?と言いたげな悠利に、疲れたようにため息をついている。安定の悠利だった。

 とはいえ、切り替えが早いのもヘルミーネだった。悠利相手に細かいことを気にしても仕方ないと思ったのだろう。好奇心を優先させて、手を伸ばす。


「ヘルミーネ?」

「一つ貸してー。それで、あやとり教えて?」

「良いよ。何色にする?」

「それじゃあ、赤色!」

「はい、どうぞ」

「ありがとう」


 悠利から赤色の紐を受け取ったヘルミーネは、不思議そうに見詰めた後に、目の前の悠利と同じように両手の親指と小指に内側から通すようにして紐を引っかける。両手を顔の前で構えるヘルミーネに、悠利はにこにこと笑う。


「それじゃ、最初は中指で反対側の紐を引っかけてね」

「えーっと、こうで良いの?」

「そうそう。で、次は逆の中指で同じように引っかけてくる」

「中指に引っかけただけで、何だか網目みたいになっちゃった」

「これが基本の形かな」


 向かい合わせのままで、悠利とヘルミーネは一つずつあやとりを進めていく。今悠利がヘルミーネに教えているのは、一人で出来るあやとりだ。あやとりには一人でやるものと二人でやるものがあって、悠利がさっきまでやっていたのは一人あやとりである。

 紐を引っかけたり、離したり、紐の間に指を通すようにしてひっくり返したりして、次から次へと形を作っていく。あやとりを知らないヘルミーネだが、悠利の教える通りに一つずつ指を動かして、形を順番に作っていく。

 最初は向かい合ってやっていたのだが、それだと指の動きが鏡合わせになってしまうので、途中で二人横並びに座ることに変更した。こうすれば、まったく同じように指を動かすことが出来るし、ヘルミーネも隣の悠利の動きを把握しやすいからだ。


「そうそう、上手。動かすときに、隣の指に引っかかってる部分を動かさないように注意してね」

「えぇ。一個ずつの動きは簡単だけど、何度も繰り返すとだんだん解らなくなってくるわね、これ……」

「慣れてくると指が覚えちゃうから、考えるより先に動くんだけどねー」

「……考えるより先に動くって、どれだけやりこんでるのよ、ユーリ」

「暇つぶしにやってたら覚えちゃったんだよ」


 のほほんと会話をしながら一つずつ形を作っていく。軽口を叩いているが、新しい形にするときは真剣な顔をしているヘルミーネである。何が何でも完成させてやる、みたいな感じだった。

 そして、最後の一手が終わった、その瞬間――。


「はい、完成ー」

「やったー!……って、最初の形に戻っちゃったじゃない!」

「うん。これ、一人でずっとやり続けることが出来るあやとりだから」

「何その迷路みたいなあやとり!」


 ヘルミーネの叫びに、悠利はへろりと答えた。

 そう、悠利がヘルミーネに教えたのは、一人あやとりの中でも特殊な、ぐるりと一周するものだった。最後の形から次の一手へ進むと、最初の形に戻るのだ。その結果、延々と一人あやとりを続けることが出来るというやつである。

 何か凄い形が出来るのかとわくわくしていたヘルミーネは、これじゃなーい!とでも言いたげだった。それに気付いた悠利は、ごめんごめんと笑う。


「何か面白い形が作れるのとかないの!?」

「あるよ。ただ、今のやつって指の動かし方が割と基本っぽいから、指ならしに良いかなと思って」

「それなら先にそういうのだって教えてよ!」

「ごめんってば」


 ぷんぷんと怒っているヘルミーネに、悠利は素直に謝った。それじゃ次は何か別のをやってみようかと言いかけたときだった。いつの間にか興味深そうに集まって自分達を見下ろしている仲間達に気付いたのは。


「……えーっと、皆、どうかした?」

「何か面白そうなことやってるから」

「ユーリ、あたしもやるー!」

「キュピ、キュピー!」

「え、ルーちゃんもあやとりするの?どうやって!?」

「「やるの!?」」


 首を傾げながら悠利が口にした質問に、大真面目な顔で答えたのはクーレッシュだった。その隣で、レレイが元気いっぱいに手を上げながら参戦を口にする。すると、それに便乗するようにレレイの足下にいたルークスがぴょんぴょん跳ねながら自己主張をした。

 レレイはともかくルークスがどうやってあやとりをするんだと衝撃の声を上げる悠利と、同じように驚く一同。それに対して、ルークスはえっへんと胸を張り、そして、身体の一部をうにょーんと伸ばして、小さな手みたいなものを作り出した。


「「…………」」

「キュ!」


 まん丸としたスライムの身体の正面部分に、紅葉のような小さな手が二つ出現していた。ここに紐をかけてくれと言いたげに、ぴこぴこと悠利に向けて動かしている。小さな身体に、小さな手。不揃いだがきちんと五本指を模しているところに、ルークスのやる気が見えた。

 これってスライムとしてどうなんだろうと思った者が数名。相変わらず器用だなと思った者が数名。そして、ルークスの愛らしさと可愛さに悶絶する者が2名。……安定の悠利とアロールだった。


「解ったよ。ルーちゃんも一緒にあやとりしようね!」

「キュイキュイ!」

「他の皆もあやとりするなら、どうぞー」


 うきうきでルークスに綺麗な緑の紐を渡した悠利は、仲間達に向けても紐を差し出した。各々、自分が気に入った色の紐を受け取る仲間達。使い方がよく解っていないので、悠利が教えてくれるのを大人しく待っている。

 そんな皆の姿を見て、ヘルミーネが自信満々に口を開いた。


「ふふん、教えてあげても良いわよ!」

「ユーリ、一番簡単なのから教えてくれー」

「ルークスでも出来る感じのでお願い」

「紐で手遊びが出来るなんて楽しみですわ」

「あたしも頑張るー!」

「ねぇ、ちょっと!何で誰も私のこと見てないのよ!」


 華麗にスルーされたヘルミーネがきゃんきゃんと叫んでいるが、全員に流された。悠利までスルーしたのは、目の前の可愛い従魔の相手で頭がいっぱいだったからだ。決して、ヘルミーネを蔑ろにしたわけではない。一応。

 一番簡単なのと言われて悠利が皆に教えたのは、ほうきだった。悠利に言われるままの手順で作業を進めた一同は、最後の一手で完成したほうきに顔を輝かせた。


「わー、本当にほうきの形だー!」

「何であの動きで最後にこれになるのかが解らねぇけど、出来たな」

「結構簡単に出来るもんなんだね」

「あの紐がこんな風に形を作るだなんて、凄いですわ」

「キュピー!」


 上手に出来たのでご機嫌の一同。悠利もにこにこ笑ってそんな仲間達を見詰めている。レレイはうきうきしながら作ったほうきで隣のクーレッシュの肩を履くようにして遊んでいる。いつもなら小言を口にするクーレッシュだが、今は上手にあやとりが出来たことが楽しいのか何も言わなかった。

 アロールの首元では白蛇のナージャが主の手元を覗き込んだ後に、褒めるようにその頬に頭をすり寄せている。アロールもまんざらではなさそうだ。イレイシアは純粋に感動しているし、ルークスは大きな瞳をキラキラ輝かせて悠利に自分が作ったほうきを見せている。皆、実に楽しそうだ。

 その中で一人、ぷるぷると身体を震わせているのがヘルミーネだった。彼女も皆と同じようにほうきを作り上げている。上手に出来ている。彼女が震えているのは、ほうきが作れなかったことではない。

 そう、ヘルミーネは怒っていた。物凄く怒っていた。キッと悠利を睨み付けると、叫んだ。


「何で最初にこういうの教えてくれないのよ!」

「え?」

「こういう風に形が作れる方がずーっと楽しいじゃない!ユーリのバカー!」

「ご、ごめん、ヘルミーネ。でもあの、一人あやとり上手に出来てたじゃない……?」

「出来たけど!アレはあんまり面白い形はなかったもん!」


 ぷんぷんと怒り心頭といった具合のヘルミーネに、悠利は素直に謝った。悠利に他意はなかったのだが、ヘルミーネとしては今のように解りやすく一つの形を作れるあやとりの方がやりたかったらしい。一人あやとりが出来れば暇つぶしになると思ったのだが、二人の気持ちはすれ違っていた。でも多分どちらも悪くないです。

 頬を膨らませて怒っているヘルミーネの肩を、イレイシアがそっと叩いた。長身のイレイシアと小柄なヘルミーネなので、自然とヘルミーネがイレイシアを見上げる形になる。そのヘルミーネに、イレイシアは優しく問いかけた。


「ヘルミーネさん、よろしければその一人あやとりというのを、わたくしに教えていただけませんか?」

「え?」

「あやとりで色々なことが出来るようになりたいのですわ。ご迷惑でなければ、教えていただけますか?」

「で、でも、ユーリに教われば良いんじゃない?」

「ユーリは皆さんの相手で忙しそうですし、ヘルミーネさんに一対一でゆっくり教えていただければと思いますの」


 どうでしょうか?と優しい微笑みで問われて、ヘルミーネはしばらく硬直していた。けれど、しばらくしてぱぁっと顔を輝かせる。とても嬉しそうだった。


「任せて!ちゃんと覚えてるから、イレイスに教えてあげるわね!」

「よろしくお願いします」

「うん!」


 機嫌の直ったヘルミーネは、イレイシアを連れていそいそと移動していった。その二人の背中を見送って、アロールがぼそりと呟く。


「流石イレイス。気遣いの鬼」

「しかも嫌みに聞こえないから、人徳だよなぁ」

「え?教えてもらいたかったからじゃないの?」

「それもあるだろうけど、今のは多分、ヘルミーネの感情を落ち着かせるためのやつだよ」

「そうそう。お前もうちょい空気読め」

「空気ってどうやって読むの?」

「「……はぁ」」


 感心したようなアロールの言葉にクーレッシュが同調する。一人意味が解っていなかったレレイが首を傾げるが、アロールは彼女の意見を否定した。付け加えるようなクーレッシュの一言であるが、レレイは真顔で問いかける。それに対して二人は、疲れたように息を吐くのだった。

 割と本能で生きているレレイなので、空気を読むのは得意ではない。もとい、絶対に踏み抜いてはいけない地雷みたいな部分は、自然に避けている。恐らく本能でやっているのだろう。逆に器用で凄いと思う二人だった。


「ルーちゃん凄いねー!あやとりまで出来ちゃうなんて!」

「キュピキュピ」

「それじゃ、今度は別のやつやってみようか!」

「キュイ!」

「ユーリ、俺らにも教えてくれよ。ルークスだけ構ってないで」

「うん。皆でやろうね」


 可愛い従魔をベタ褒めしている悠利に呆れたようにクーレッシュが声をかける。それに返ってきたのは、晴れやかな笑顔だった。皆で遊べるのが楽しいと言いたげだ。

 大雨で外には出られないけれど、こうやって皆で同じことをして遊べるのはとても楽しい。また一つ、素敵な思い出が増えるのでした。




 なお、途中でジェイクが加わり、悠利と二人で高難度のあやとりに挑戦する姿を皆が鑑賞する会に変更になったのはご愛敬です。学者先生は指先は結構器用でした。




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