皆で作ろう、手ごねハンバーグ。
「それでは、今からハンバーグを作ります」
「うにゃー!」
「はい」
「了解ー」
彼らはこれから、悠利の宣言通りにハンバーグを手作りするのだった。リディが遊びに来ると聞いていた悠利は、若様という立場から里ではそういうことをしないだろうと思って、一緒にご飯を作ろうと思ったのだ。ハンバーグをこねて丸める作業というのは、案外子供が喜ぶものだったりするので。
ミンチを用意するのは時間がかかるので、午前中に力自慢達にお願いしておいた悠利である。具体的にはウルグスとかレレイとかリヒトとかだ。夕飯がハンバーグだと聞いたら、張り切ってミンチを作ってくれた。本日のハンバーグはバイソン肉とオーク肉の合い挽きミンチでお送りします。
ハンバーグというのは、難しそうで案外簡単というか、あらかじめ用意さえしておけば子供でも楽しく作れる料理である。……まぁ、主に子供が担当するのは、ミンチをこねて形を作る部分になると思いますが。切ったり炒めたりは大人が担当すれば安全かと思います。
「本当はタマネギ入れて作りたいけど、リディ達はタマネギ苦手って聞いてたから、今日は肉のみのハンバーグです」
「うにゃにゃ?」
「あ、お気遣いありがとうございます。でもあの、別に食べられないわけではないですよ?」
「それでも、どうせなら何も悩まずに美味しく食べて欲しいし、肉だけのハンバーグはそれはそれで美味しいから大丈夫!」
「むしろ肉だけの方が喜びそうな人多いし」
「……あ、何か否定できないかも」
ワーキャットは猫の性質を持っているので、タマネギは苦手だった。別に食べて病気になるわけではないのだが、それでも内臓に負担がかかるのは事実である。ちょっと苦手レベルなのだが、どうせなら負担になる食材は使わない方が良いと思う悠利だった。
そして、肉オンリーハンバーグを喜ぶ面々を思い浮かべてヤックが呟いた言葉を、悠利は否定できなかった。脳裏に浮かんだ肉食メンバーは、きっといつもと違って肉満載ハンバーグをそれはそれは喜んで食べるだろう。喜んでもらえるならそれで良いのだけれど。
「そんなわけなので、肉のみハンバーグを作るために、まずはミンチをこねます」
「うにゃい!」
「はい」
「その前に、……ヤック、アレ持ってきてー」
「了解ー」
張り切るリディとエトルに、悠利は一瞬だけ待ったをかける。悠利に言われてヤックが持ってきたのは、薄いビニールのような素材で出来た手袋だった。それを手渡されて装着するように言われたリディとエトルは、首を捻りながらも小さな肉球の手を手袋の中へと入れていく。手首より上の位置まである手袋を装着した二人の子猫は、不思議そうに悠利達を見ていた。
「ハンバーグって手でこねるんだけど、リディ達の手だと毛が心配だから」
「にゃっ!?」
「あ……」
「なので、その手袋をはめて作業してください」
「にゃにゃー!」
「解りました」
ワーキャットは二足歩行する猫である。よって、手足も猫である。そんな彼らの手は器用に五本指で動くが、それでも猫の手であることに代わりはない。なので、手袋をしてもらうことに決めていた悠利達だった。普段は悠利達は素手でハンバーグをこねるのだが、自分達だけ手袋ではしょんぼりするだろうと思って、悠利とヤックも同じように手袋をはめている。
ちなみにこの手袋、薄手のビニール手袋のように見えるが、材質はビニールではない。異世界にビニールは存在しなかった。その代わりのように、異世界には悠利の常識を吹っ飛ばす不思議な素材がたくさんある。手袋の材質は、スライムである。
特に属性を持たない普通のスライムの、核を抜き取られた後のいわゆる亡骸に該当する部分を加工して、様々なものが作られている。そのうちの一つに、このスライム製の手袋が存在した。ちなみにこちら、作製された経緯は「水仕事などで手が汚れると不便」という要望からだった。不便は発明の源である。
そんなわけで、四人揃ってスライム製の薄手袋を装着した悠利達は、テーブルの上のボウルへと視線を向けた。そこには、既に大量の合い挽きミンチが投入されている。
「ここに、卵とパン粉を加えるよ」
そう告げて、悠利が卵をぱかりと一つ割った。続いてもう一つも割ろうとした瞬間、にゃー!と猫の手が卵に伸びた。きょとんとしている悠利の隣、椅子の上に立っているリディが、顔を輝かせて卵と悠利を見ていた。
「……割ってみたいの?」
「にゃにゃ!」
「それじゃ、こっちのボウルに割ってみようか」
卵を割ったことがないであろうリディに、ミンチの上で卵を割らせるほど悠利は愚かでは無い。うっかり卵の殻が入っても大丈夫なように、小さな別のボウルをリディの前に置いてやる。
「卵を潰さないように握って、テーブルにコンコンってして割れ目を作るんだよ?」
「にゃ!」
「若様、そんなに勢いよくやったら割れます!」
「うにゃ?」
「……うん、全力で振りかぶっちゃ駄目」
行くぞー!というオーラで振りかぶったリディの腕を悠利が掴んで止め、エトルが声で止めた。当人はきょとんとしているので、全然悪気は無かったのだろう。しかし、悠利はそんな風に力一杯ぶつけて割れ目を付けたわけではないので、違う違うと皆でツッコミを入れるのだった。
悠利とエトルの注意を聞いて、リディはちょっとだけテーブルに卵をぶつける。コンコン、とどれぐらいの力でやって良いのか解らないのか、最初は割れ目が入らない。もう一度コンコンとぶつけて、やっと割れ目が出来た。
「割れ目が出来たら、卵をボウルの上に持ってきて、割れ目に左右から親指を引っかける感じにしてね」
「にゃー」
「割れ目のところから外側に向かって、ぐいってするようにやってみて」
「にゃう!」
キリっとした顔で悠利の指示に従うリディ。手袋越しの猫の手が、卵を割ろうと必死に動く。割れ目に添えられた両親指にぐぐっと力を入れて、外に向かって広げるようにして、そして。
「……うにゃぁ……」
べちゃっという音と共にボウルの中に落ちた卵は、多少の殻が破片として散らばり、ついでに言えば指先が卵黄に引っかかったのか、ボウルに落ちた瞬間から黄身が広がっていた。しょんぼりするリディであるが、初めてにしては上出来とも言えた。少なくとも、卵の殻を完全に潰したわけでもない。散らばった破片も、拾ってしまえば問題なしだ。
それに何より、今日の献立はハンバーグである。割った卵はもれなくミンチと一緒にぐっちゃぐちゃに混ぜられてしまうので、別に崩れていても何も問題ないのだ。
「大丈夫。殻は取り除けば問題ないし、卵は全部ちゃんとボウルの中に入ってるでしょ?」
「うにゃ……」
「最初は誰でも失敗するよ。僕も上手に出来るようになるまで時間かかったもん」
「オイラもー」
「にゃ?」
しょぼんとしていたリディだが、悠利とヤックの言葉に元気を取り戻した。その顔には、頑張って練習するぞ!と書かれている。……リディの隣でエトルが、彼らを見守る位置からクレストとフィーアが、揃って視線を明後日の方向に逸らした。どう考えても若様が帰還して後、卵割りの練習をすると言い張る未来が見えたので。普通、若様は料理はしません。
とはいえ、今重要なのはそんな未来の話ではないので、悠利は卵の殻をひょいひょいと拾い上げている。ちなみに、拾った卵は足下をうろうろしていたルークス行きである。普段は料理をしていると側に寄ってこないルークスだが、リディがいるので色々気になるらしい。お友達の初めてのお料理が気になるのかもしれない。
「それじゃ、リディが割ってくれた卵も、こっちのボウルに入れてっと」
「にゃにゃ!」
「後は、塩胡椒とケチャップを入れます」
「にゃあ?」
ボウルの中に調味料を入れる悠利の姿に、リディは不思議そうな顔をした。何でケチャップ入れるの?みたいな顔だった。なお、悠利が作るハンバーグは当然のようにケチャップが既に混ぜられている状態で完成する。食べるときに何も付けなくても美味しいようにがモットーであった。
そして、材料を全て入れたボウルの中に、悠利は手袋を付けた右手を入れた。左手でボウルをしっかりと持ちながら、こねこねと混ぜ始める。興味津々で見ているリディとエトルの姿に、思わず笑顔を浮かべる悠利だった。
「こういう感じで、材料がちゃんと混ざるようにこねてくれる?」
「にゃにゃー!」
「はい」
「一人でずっと混ぜるのは大変だろうから、途中で交代すると良いよ、リディ」
「うにゃ!」
任せろと言いたげにえっへんと胸を張ると、子猫は両手をボウルの中に突っ込んだ。そういう風になるだろうなと思ったので、悠利とヤックが両脇からボウルをしっかりと支える。にゃ!にゃ!と楽しそうにかけ声を上げながら、リディは一生懸命ハンバーグの材料を混ぜ合わせていた。
それは幼児が粘土や泥で遊ぶようなものなのだろう。猫耳も尻尾も楽しそうに揺らしながら、リディは小さな両手で一生懸命ハンバーグのタネを混ぜている。手が小さいので、大量のミンチを完全に混ぜるのは難しそうだ。それでも一生懸命な姿は、実に微笑ましい。
途中でエトルと交代しつつ、チビ猫二人は一生懸命ハンバーグのタネを完成させた。ちなみに、ハンバーグのタネのこね具合の目安は、全体がまとまって粘りが出るぐらいだ。更に言えば、耳たぶぐらいの固さが目安とも言われている。
「それじゃ、次は形を作る作業だよー。掌にミンチを取って、形を調えたら、こうやって、両手の間を行ったり来たりさせて、空気を抜きます」
「にゃにゃー?」
「あの、その両手の間で動かす作業には何か意味があるんですか?」
「ちゃんと空気を抜いておかないと、焼いてるときに崩れちゃうから」
「にゃ!?」
「それは、大変ですね……」
ペちゃん、ぺちゃんという気の抜けた音しかさせていなかったリディが、耳と尻尾をピンと立てて衝撃を受けていた。エトルも大真面目な顔でタネに向き直っている。一生懸命作っているハンバーグが、失敗に終わるのは嫌だと思ったらしい。それ以降、二人とも一生懸命小さな手を動かしてハンバーグを形作っていく。
リディとエトルが一つ作る間に、ヤックは二つ、悠利は三つ完成させていく。大きさは一律の方が良いだろうと、リディやエトルが作っている小さめのハンバーグに寄せている悠利とヤックだった。大きいハンバーグはジューシーで美味しいが、小さいハンバーグもまた、幾つも食べられる楽しみがあったりする。
次々出来上がっていくハンバーグのタネを見詰めて、リディがにゃーと鳴いた。どうやら子猫は、作っている間にお腹が空いたらしい。……お前さっき食べた冷やし出汁茶漬けどこ行った、と突っ込んではいけない。子猫はきっと代謝が良いのだ。きっと。
「……えーっと、お腹空いたの?」
「うにゃあ……」
「いえ、見ていたら食べたくなってきただけだそうです。なので、時間まで待っていて大丈夫です」
「にゃう!?」
「若様は少しは我慢を覚えてください。訴えれば常に食べ物が出てくると思ったら大間違いです」
「にゃにゃー!」
「どう考えても正しいのは僕です!」
横暴だ!とでも叫んでいるのだろう。毛を逆立てて叫ぶリディに、エトルも腹の底から叫んだ。……まぁ、この場合どう考えても正しいのはエトルである。だって、夕飯にはまだ早いし、昼食もちゃんと食べてその上軽食まで食べているのだから、これ以上は駄目だ。明らかに体内時計が狂う。
うにゃうにゃとぼやきながらもハンバーグ作りに戻るリディ。作るのは楽しいらしいので、途中からまた楽しそうに耳と尻尾が揺れていた。……ちなみに、真面目な顔で作っているエトルの耳と尻尾も、リディほどではないがゆらゆらと楽しそうに揺れていた。顔には出していないが、耳と尻尾は素直である。
そして、そんな2人の姿を見守るクレストとフィーアは、……悠利の目から見て、幼稚園の参観日にやってきたお父さんとお母さんみたいだった。ハラハラどきどきしつつ、うちの子頑張ってる……!みたいなオーラがダダ漏れだったので。
そうして4人が頑張って完成させたハンバーグは、実に大量だった。だがしかし、アジトの面々に加えてワーキャット4人が食べると思えば、これぐらい作ってもまだ心配が残る悠利とヤックだった。……《
とはいえ、別におかずはハンバーグだけではない。サラダやスープも用意するし、もしも足りなくなったら何か肉を焼くとか、玉子料理を用意するとかすれば良いと思っている悠利だった。材料さえあれば、何とかなるものだ。幸い冷蔵庫には肉も魚も卵も入っているので。
無事に完成させたので手袋を回収してルークスに綺麗にして貰っている間に、悠利はリディとエトルにジュースを用意した。一生懸命働いた子猫2人は、嬉しそうに冷たいジュースを飲んでいる。うにゃあ、と幸せそうに笑うリディの姿に癒やされる悠利だった。
「あ、そうだ」
「うにゃ?」
「ユーリ?」
「せっかくだし、味見に焼いて食べてみようか」
「にゃ!?」
よいしょ、と小さく呟きながら立ち上がる悠利。リディは顔を輝かせてそんな悠利を見ていた。ちょっと待っててねと去って行くその背中に、飛びつかんばかりだった。……なお、実際に飛びかかろうとしたリディの身体は、隣に座っていたエトルに引き留められ、足下にいたルークスにも捕まっていた。邪魔はいけません。
試食は必要だと判断した悠利の行動は早かった。オーブンから鉄板を取り出すと、オーブンを予熱する。その間に鉄板の上にハンバーグを数個並べていく。一つ一つが小さめのハンバーグなので、それを今食べても夕飯にそこまで支障はなさそうだった。おやつレベルで良いぐらいだ。
ハンバーグはフライパンで焼いても良いが、オーブンだと一気に焼けるので悠利はオーブンを使うことにしている。……何しろ、分量が尋常では無い。人数分のハンバーグをフライパンで焼いていたら、いつまで立っても終わらないのだ。それに、オーブンで焼くとひっくり返したり蓋をしたりしなくても、両面しっかり焼けるので楽ちんなのである。
「ユーリ、小皿何枚いるー?」
「今ここにいる人数分ー」
「了解ー」
オーブンの前で見張っている悠利の背中に、ヤックの声がぶつかる。次に何が必要かを判断して行動できるようになっているヤックは、人数分、つまりは調理をしていた自分達と、それを見守っていたクレストとフィーアの分も含めて、合計六枚の小皿を用意していた。ついでに食べるときに必要になるだろう小さいフォークの準備も万全だ。
しばらくしてオーブンが調理完了を知らせ、ハンバーグが完成した。オーブンを開けてみれば、ジュージューと美味しそうな音をさせたハンバーグが迎えてくれる。いそいそと鉄板を取り出した悠利は、鉄板の上で小ぶりのハンバーグを半分に切っていく。そうして切り分けたハンバーグを、人数分の小皿に盛りつけた。
……ちなみに、一応1人半分という形で小皿に盛りつけたが、お代わりと言われても対応できるように少しだけ余分に焼いている。小さいハンバーグなので、まぁ、お代わりして一個分食べても大丈夫かな?と思っている悠利だった。主にリディ対策である。
そう、同じ分量だったとしても、一度に出されて食べきるよりは、お代わりをした方が満腹感が満たされるのだ!……多分。というか、悠利は何となくそう思っているので、そういう対応を取ることにした。特に子供はこの傾向が強いので。
「はい、出来たよー」
「にゃー!」
「ありがとうございます」
「クレストさんとフィーアさんも、味見してください。リディもエトルくんも頑張ってくれましたから」
「「いただきます」」
にゃーにゃーと身を乗り出して小皿を早く寄越せと訴えているリディの隣で、エトルは大人しく待っていた。声をかけられた大人2人は、一礼してから近寄ってくる。
……ちなみに、リディが呼び捨てでエトルがくん付けなのは、くん付けにしたらリディが怒ったからである。同じ理由で、エトルを呼び捨てにしようとしたら、やっぱり怒ったのだ。どうやら、「自分だけ呼び捨てにしてもらえるぐらい仲良し」というのを主張したかったらしい。子猫は我が儘フリーダムであった。
「それじゃ、いただきます」
「「いただきます」」
「にゃー!」
全員揃って小皿に向き合い、フォークを手に取る。ほかほか焼きたてのハンバーグは、一つの大きさが悠利の掌に綺麗に収まるぐらいのこじんまりとしたものだ。それを更に半分にしているのでそこまで大きくない。それでも、肉汁がとろりとこぼれる姿は食欲をそそった。
まだ熱いのでワーキャット組は小さく切って冷ましながら口に運んでいる。そこはリディも解っているのか、小さく一口サイズにしたハンバーグにふーふーと息を吹きかけている。もっとも、悠利やヤックも焼きたてのハンバーグをそのまま口に入れられるほど頑丈な口はしていないので、小さくして冷ましながら食べている。
口に入れた瞬間に広がるのは、肉汁だった。タマネギの入っていない肉オンリーのハンバーグなので、いつも悠利が作るものよりもやや固く感じる。タマネギ入りだとタマネギの水分などで少々軟らかくなるのかもしれない。
とはいえ、余分なものが入っていない肉オンリーハンバーグは、肉の旨味が強烈だった。塩胡椒とケチャップであらかじめ味付けされているので、そのまま食べても何も問題はない。肉の旨味と、ケチャップの優しい酸味が広がって、何とも言えず美味であった。
「にゃうー……」
「ん?リディ、どうかした?」
「にゃにゃ!にゃー!」
「……いえ、若様。上手に出来たのはユーリさん達のおかげです。どう考えても若様はオマケです」
「にゃ!?」
ふふんと自慢げな顔をしていたリディであるが、隣のエトルのツッコミに驚愕したと言いたげな表情になった。自分が一生懸命頑張ったからこんなに美味しく出来たのだ!みたいな気分だったに違いない。それもまぁ間違っていない。一生懸命作ったら、普段より美味しく感じるのは真理だ。
ただ、味付けとか微調整を悠利とヤックが行っていたので、多分味付けに関してはリディの功績は存在しない。頑張って混ぜたことと、形を作ったところぐらいだ。それでも頑張ったことに違いはないけれど。
ちなみに。
「今食べてるのは、全部リディとエトルくんが作ったハンバーグだよ」
「にゃ?」
「え?」
「どうせなら、自分達が作ったのを食べたいかなって思って」
美味しいね、と微笑む悠利に、リディはぱぁっと顔を輝かせた。エトルはちょっと照れくさそうな顔をしていた。それでも、2人とも自分達が作ったハンバーグということに感動しているのか、小皿の上のハンバーグをキラキラした顔で眺めているのだった。猫耳と尻尾も嬉しそうに揺れている。
なお、若様手作りハンバーグのご相伴にあずかったクレストとフィーアは、方や顔を覆い、方や天を仰ぎ、感動に打ち震えていた。過保護なのか親バカなのか判断に困るところだが、実際のところは、常日頃色々とやらかしてばかりの若様お手製ハンバーグが美味しかったことへの感動だった。日々の行いは重要だった。
夕飯時に子猫お手製ハンバーグを振る舞われた《
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