第16話 俺は冒険者になりたい…今度こそ

「……朝か……寒っ! 死ななかったようだ……」


起きた


「……でも……もっかい寝ていい? 夢の続き見たいから」


今日俺は夢を見た……門番ちゃんが出てきた


「……門番ちゃんの門を開門って……どこの薄い本だよ……もっと見させろ!!」


俺のがおきた


しかし、その後は眠れなかった……


「……はぁ〜俺は最低だよ……門番ちゃんから貰った500銅タプを……無くしてしまったくせに……

門番ちゃんごめんなさい!」


昨日俺は野宿だ……宿イベント期待してたのに……


「……俺は、よく物を無くすんだけど……あんなすぐ無くすか? う〜む……」


「…………」


「……このことは、門番ちゃんには内緒にしなきゃな……貰った直後に無くすとかどんだけ恩知らずだよ……俺の命の恩人で……そして……」


「……彼氏いるんだよなぁ……」


「…………」


「……ふっ!」


俺は立つ


「門番ちゃんを幸せにしてあげてくれ……門番さん……」


「よし! ギルド行くか……冒険者になるんだ!」


「……ギルドってどこだっけ……」


…… だって俺だぜ?


「聞くしかないか……人と話すの苦手なのに……」


「…………」


俺は歩く……朝早く起きすぎちまった……誰もいねー


「……あっ……屋台だ……この匂いって……あの屋台だよな……」


いつかの俺が冷やかしで怒られた屋台だった……


「……ぅぐ……あの人はやめとこ! 怖い!

俺、カンストしてるはずなのに……でも」


周りを見渡すが誰もいなかった……


「……くそっ! 俺はカンスト! 俺はカンスト!」


俺は小声で自分に言い聞かせるように言った


「……よし! 俺つえ〜〜」


屋台に向かって歩き出す


「あっ、いらっしゃ……お前はあん時の! 冷やかしやろう!」


お、覚えてるよな……コエ〜……カンストだ!


「お、おはようございます!」


「……おはよう……じゃねー! また冷やかしに来たのか? こちとら一生懸命に働いてるんだ! どっか消えな!」


どんだけ俺を嫌ってるんだよ……デブスなのはわかるがここまで怒ることないのに……


「……すみません……お聞きしたい事があるんです……」


「あっ? 聞こえなかったか? 俺の言葉」


「……お願いします!」


「……ちっ! んっ!」


おっさんは手を俺の方に出してクイクイした


「…………」


「……おい、 お願いするときはどうすんだ? ん?」


「……タプないです……」


「……じゃっ! シッシッ!」


おっさんは手を払うように俺にする


「……ギルドに行きたいんです! そ、さしたら!タプ稼ぐんで……そんとき! ここの串焼き買うからそれで! 教えてください!」


「……ふ〜ん、そうか……冷やかしってわけじゃねーのか……」


おっさんは手を顎にスリスリしながら言う


無理か……別の人に……


「あそこの角曲がれ」


「……え?」


「ちゃんと人の話聞けよな? あそこの角曲がってそのまま真っ直ぐいきボロい教会が見えるはずだからそこ曲がれば見つけられるはずだ……一度だけだ、もう言わねーぞ?」


「……」


「……返事は!」


「は、はい! ありがとうございました!」


「……ならいい、仕事の邪魔だ……消えな」


「教えていただきありがとうございます!」


「……ふん! 串焼き10本な!」


「……頑張ります」


俺はその場を去る


怖かった……でも酷い人ではない


「……串焼き10本か……いけるかな?」


俺は教えて貰った道を行き……ギルドについた


「……ついた」


扉を開き中に入る


朝早いからか人がほとんどいなかった


「……あんなうるさかったのに……ここまで雰囲気変わるとはな……」


俺は、前に受付してくれた受付嬢ちゃんのところに行く


「……おはようございます」


「おはようございます……泥人形を討伐されました?」


えっ? 俺の事覚えててくれてる?…… 嬉しい


「……い、いえ……まだです」


「そうですか……では何用でこちらに?」


ん? そういえばなぜギルドに来たんだっけ?


「……ケイゴさん?」


「……なんでだろう……」


「…………いや、こちらに聞かれましても……」


「……で、ですよね……すみません……今日、俺は泥人形倒して来ますよ……」


「……はい、どうぞ……」


「……で、では行ってきます……」


「……行ってらっしゃい……」


は、恥ず〜


俺は扉を開き外に出た













「……ねぇねぇ?」


「……ん? なに?」


「あんたも大変ね? あんなデブ、しかも不細工な奴相手にしなくちゃいけなくて♪」


「……仕事だから」


「……はぁ〜、あんたほんと真面目な……そんな感じだからあいつがしつこいのよ?」


「……うん……ごめんね? いつも助けてくれて……」


「当然でしょ♪? 私達友達なんだから!」


「……ありがとう」


「……で? あのデブ……ノート書いた?」


「……まだ」


「……まだ……ねぇ〜? ノートはあなたの身を守るためのものなんだから」


「……うん、わかってる」


受付嬢ちゃんは棚の下にある緑のノートを見た

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