十五点五本目 幹部会議

「ファイがやられたようだな、連絡が途切れた」

「ヤツのキードは我らナンバーズ幹部の中でも最弱」

「しかし、その何者にも喰ってかかり、誰をも押しのけのし上がるという精神。そしてそのためにずっと積み上げてきた努力と、流した血と汗は本物であった」

「そして事実、こうして三席しかない幹部の椅子を、他の雑魚が使うような金もコネも使わずに、体一つでむしり取ったのだ」

「小さな暴走族だった頃から下っ端にいて、年長者故のリーダーの地位に甘んじることなく、ナンバーをいただいてからも努力を怠らず、部下の全員が尊敬の眼差しで見上げるその姿は、ヤツこそが幹部に相応しいと、ボスや我らだけでなく誰にも思わせた。その証に、反対票の入らなかったのはヤツが初めてだった」

「そしてボスは、そんな部下の一度や二度の失敗は許容してくださる。我々が連れ帰れたら、幹部のままにしていただける、それまでまだ椅子は空けておいていただけるとのこと」

「ああ、我らが友であるファイを必ず取り戻そうではないか」

「そうとも。今こそ我らの力を、あの悪逆共に見せつけてやろう!」

「「いざ!!」」

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