十一点五本目 反省会議

「うう、酷い目にあった」

「どうして今日に限ってフロントホックにしてしまったのでしょう。一生の不覚なのです」

「ホントだよ!フロントホックなんて珍しい。誰かに見せるためかな?」

「な、なな、なにを言っているのです!そんなはずないでしょう!単にラクだからなのです。それだけなのです。決して誰かのためにとか、そんなことはないのですよ!」

「えー?!榠樝彼氏いないの?」

「別に、いらないのです」

「えぇー、榠樝なら引く手あまただろうに。もったいない!」

「いいのです!」

「ふーんそっか」

「そ、それに、私はり…」

「ん?なに?」

「に、逃げられてしまって悔しいなって!」

「ええ、まったくよ!今度はとっちめてやるんだから!そう、それで、あの能力に対抗する策を思いついたんだけど」

「ほんとなのですか、それはいったい?」

「あのね、ごにょごにょ……」

「ふふふ。なるほど、それは面白そうなのです。では、早速準備に取り掛かるのですよ」

「あのフードを脱がして、ヤツの驚いた顔を拝んでやろうじゃない」

「「おおー!」」

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