五点五本目 優しいお姉さん

「ありがとうねー。もう重くって重くって、困ってたのよー」

「いえいえ、気にしないでください。別に急ぎでもなかったので。困った人は助けるというのが、うちの家訓なんですよー」

「ホントにありがとう。あ、そうだ、これあげるわ、お礼にこれどうぞ」

「そんな、悪いですよー。そんな大したことしてないのに」

「まあまあ。じゃあ、そんな素敵な教えを伝えてくれたあなたのご先祖さまにってことで」

「うーん、じゃあ、そういうことで、ありがとうございます、いただきます」


「こんなにいっぱいどうしようかなぁ。あ、そうだ、スグそこだし差し入れに持っていこうかな。確か今は、由良ちゃんと美浜ちゃんの二人だけだったはずだし。お休みだけど職場に行くなんて、由良ちゃんに怒られそうだな。ちゃんと休みもとらないといけないですよ!って」

 ドーンドーンバキバキ

「な、なに?!何アレ、大量のドアが道中に散乱してる!そしてその向こうには由良ちゃんと美浜ちゃんと、もう一人男の人が傷だらけに!そしてもう一人女性がいるけど、その人は無傷!どうやら、あの人の仕業のようね、この事件は!とにかく加勢しなくちゃ!」

「あー!!!理香お姉ちゃーん!助けて!」

「え、理香姉さん?!やった、ちょうど良かった!助けて!」

「よーし、お姉ちゃんに任せておきなさい!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る