第3話 ゆづき 翼、タイガにメラメラ嫉妬する。


漢字を知らない。

大きな河かな?

イメージとしてはカタカナで、

タイガと呼ばれている

それがカタカナの理由は、

一言二言喋ってみればすぐにわかる。

犬猫で言えば、あきらかに猫で、

しかも猛獣系、

しかし彼女は、女豹じゃない、

まさしく虎、そうタイガなのだ。


やっと、お会いすることができました。

タイガさん?

で、いいですか?

タイガさん、

あなたにお聞きしたいことがあるのです。

私にとってそれはそれは大切なことなのです。

今はもう、彼女にもう一度会うことが、

私の生きている証のようなものに

なり果てているんですから。


最後まで言わせずタイガは、


ミカサのことなら知らないよ。


と、まるで包丁で私の喉をかききるように

二の句をつけなくさせる冷たさで言い放った。


水色の自転車を、


ん?

というように、初めて私の言葉に反応した。


連ねて「かげき」に行こう。


これは歌の劇?それとも、過ぎたる激しさ?


なんだそれ、すぎたる激しさ?


ええ、まるでミカサの人生を表してるような

過激な激しさ。


へー?あの子そんな風になっちゃったんだ。


なったんじゃない、ミカサは、ずーっと、そう。


まぁ、あんたは、昔のミカサを知らないからね?

(クス、)純情可憐だったころの

髪の毛、腰までのストレートの黒髪で、

白いワンピが似合ってたころの、

出会った当初の、ミカサは、

それはそれは、可愛いかったんだよ?

思わず声かけてしまったもんなぁ、

このあたしがさ。

そばに、女性だけでやってる歌劇があったから、

そこに、誘ったんだっけ?

ほーんと、可愛いかった。

あぁ、だからさっきの質問に対する答えは、

「すぎたる激しさ」なんて知らないよ、

「歌う劇」の歌劇、になるよね。


ぅん?

どうした?

こわい顔して。


大丈夫だよ、もう、ミカサとは

長いあいだ会ってないよ。


もしかして、あんたが最後にミカサに会ったとき、

いっしょに行こうってさそわれなかった?


で、置いていかれた、と?


大丈夫だよ、あれ、ほんきで誘ってる

訳じゃないから。


多分だけど、一番の未練をあんたの心に残して、

いつまでも覚えていてもらおうって、

姑息なやり方だね?

まんま、私のまねなんだけど…………




(くそ、なかいい過去かたりやがって。)

(む、むかつく……むかつく……)









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る