#28 奏矢

かな...た?

「奏音、ねえ奏音!」

「か......な...?」

「死なないでよ....奏音.......!」

「佳那.......愛してる。」

「.......ッわたしも...」


「.............ハハッ...死んだ死んだぁ!」


..........ブチっ

僕の中でなにかの糸が切れる音がした。

「よくも僕の奏音を.....!」

そのあとのことはよく覚えていない。





「おはようございます。悲しいことに先日、暁月君がなくなりました。」








僕はあの時どうしたらよかったんだろう。

今年も訪れた、彼のお墓。

今でも彼が生きている気がしてならない。




「よお、佳那!」

「真斗....ひさしぶり。月菜も。」

「うん、久しぶり。」

「そいつか!暁月との子どもは。」

「うん。ほら、自己紹介して。」

「はじめまして、奏矢です。」

「.....奏音に似ているわね...。」

「うん、とっても。」




「奏音、奏矢はすくすく育ってるわ。これからも空から僕たちを見守っていて。」








「空からだなんて嫌だなぁ。」





「かな.....た...?」











「ひさしぶり。そして奏矢は初めましてだね。」

「僕の名前は“暁月奏音”。お前の父親だ。」





                                   END

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Nightmare 園宮 藍輝 @kinasetu

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