#6 あと少しで

「.......なた......奏音!起きて!」

「ここは?」

「え?ここは真斗の家だよ。今日は真斗の家で勉強会するって話だったでしょ。」

え、そうだったっけ。

「『え、そうだったっけ』って思ってるだろ。そうなんだよ。お前早く来たと思ったらずっと寝てるし......。」

「あー......ごめん。」

「まあいいよ。今度するときはしっかり勉強するからな。」

「はーい。.............今何時だ。」

「今は..........あ、もう7時だ。」

あ、やばっ。7時半から塾だ.......。

「ごめん。時間ないから僕先に帰る。」

‟またな”‟ばいばい”と二人の声が聞こえる。

やばい時間が.........あれ、「ここどこだ。」

見知らぬ場所にいる。

ここは.........路地裏?

どこかで見たことあるような..........。

≪オモイダセ。≫

ノイズがかかったような声。頭が痛い。

≪オマエニトッテココハ —―。≫

「暁月くん?」

「見石、先生?」

「どうしたのこんなところで。それに、泣いてるわよ。大丈夫?」

泣いて....る?

「ここ結構入り組んでるけど出られるかしら。案内しましょうか?」

「あ、お願いします。」

先生はどうしてこんなところにいるのだろう。

それに、どうして僕はこんなところにいるんだ。

「ついたわよ。」

「ありがとうございます。先生。あの、先生はどうしてこんなところに?」

「..........少しここに用事があってね。さあ帰りなさい。」

ここに?

「あ、はい。ありがとうございました。」







「見石先生、昨日はほんとうにありがとうございました。」

「どういたしまして。あ、昨日のことなんだけど........‟内緒にしてくれないから”。」

「??...........わかりました。」








≪アーア。アトスコシノトコロデジャマガハイッタ。モウスコシデ.........≫






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