#5 独りぼっち

「お母さん!」

「見石先生。でしょ!まあいいわ、今日わたし仕事で家帰るの遅くなるから。」

「.............はーい。」

お母さんはいつもそうだ。

私に何か隠し事して私を一人にする。

あの日からそうだ。

お母さんが私を拾ってくれた日から........


『誰、あなた。』

『私は、見石みいし 茉耶まや。あなた、ボロボロよ。家はどこなの?』

『...........ない。』

『!!.......そう、じゃあ家に来なさい。あなたの名前は?』

『..........るな、佐都 月菜。』

『月菜、良い名前ね。これからよろしくね。』


楽しかったのは、嬉しかったのは、この日だけだ。

次の日からずっと‟仕事で遅くなる。”‟仕事だから早く行く”。

私のことを考えてくれていない。

朝ごはんも一人。晩御飯も一人。

小さいころからわたしは‟独りぼっち”だ。



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