第4話 魔物いるのね。
私はルートお兄様のことを言えないようなお子様となっていた。
「ねぇ、これは何?食べれるの?何に使うの?ねぇ?なんで?どうして?」
市場には様々なものが並んでいるし。
フランは途中からウンザリしているのがわかる。
でも、質問しないとわからないんだもの……しょうがないじゃないの状態だ。
アイテムを利用して、何とかレベルを上げるなどして、魔力を上げたい私としては、この市場調査で知れることは何でも知りたいのだ。
「ねぇ、アイリス、変な形の石があったよ」
「ねぇ、アイリス、これは、隣の町で流行している飲み物なんだって」
「ねぇ、アイリス、このお花は赤色だけではなく、黄色のものもあるんだよ」
お兄様が私に話しかけてくるのが地味にイライラしてきた………。
でも、子供ってこんなものこんなもの………私は大人、私は大人ってこれは何!?
「フラン!これは?食べれるの?」
「これは、身体を洗う時に使う葉っぱなので食べれません」
「フランこれは?すごく臭いわ!?」
「下ゆですれば臭いはとれます」
「フラン!エビよ!エビがあるわ!これってすごくおいしいのよ。うちの料理人に料理してもらいましょうよ」
ねぇねぇねぇねぇ!!
子供二人を引き連れたご一行は、ひどく盛り上がっていた。
「ねぇ、アイリス、これは魔物の尻尾なんだよ」
「わかりましたわ、魔物の尻尾なんです………魔物の尻尾!」
目の前には、とりの尾羽のような鮮やかな色の尻尾があった。
「そうだよ、魔物の尻尾なんだ。お母さんの帽子の羽飾りにも使われているんだよ」
私が食い付いたことで、兄様はドヤ顔を披露している。
魔物やはりいたのね……。
40cmほどの見事な尾羽……。
ということは、そこそこ大きさのある魔物なのだろうか。
触ってみたかったけれど。
値段が高価な物のため、あきらめる。
「ねぇ、あなたはこれを倒すことができまして?」
私は護衛の男性に話しかける。
「冒険者何人かでPTを組めば狩れますよ。私一人では逃げ足が速い獲物なので難しそうですね」
「なるほど」
足が速い獲物か………。
足が早ければ………。
子供の私では無理かもしれないけれど。
この人が私が作った、足が速くなる粉末ハーブを飲んだら捕まえられるのではないだろうか……。
効果のほども気になる。
私が飲んだ時は、子供からすれば、驚くスピードで走れたけれど。
大の大人が飲めばどうなるのか。
試してみたい。
でも、私があやしげな草の粉をとりだして飲んでとやったところで飲まないだろう。
私だったら絶対に飲まないもの。
「フラン、私あれが食べてみたいわ」
「お嬢さま、外での食べ物を食べることはやめるようにといい使っております」
そんなこと想定済みよ。
「そう、なら私今日はお小遣いをあまり使わなかったので、今日私に付いてきた二人にごちそうします」
フランが制止するまえに、私は屋台でやきとりのようなものを2つ購入する。
そして、一つにぱらぱらとハーブをかけてみる、少量ならわからないわよね。
「私一人で買い物できましたわ。記念ですから、本当は一緒に食べたかったのですが、お二人にどうぞ」
初めてのお使いできたわって顔でフランと護衛の男に食べさせるべく笑顔を浮かべた。
フランのものは普通の焼き鳥。
男のほうは、焼き鳥+足が速くなるハーブ。
さて、どうなるのか。
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