06



 まどろむ夢の中で 幼かった私が泣いている

 孤独に震えながら たった一人で


 私は私の傍に歩み寄って その傍らに膝をついた


 そこは閉ざされた遥か彼方の時の先

 通り過ぎて行ってしまた過去


「言葉なんて通じないことぐらい分かっていた」


「だけど、それでも伝えたかったの」


 絶望しないで、

 諦めないで、

 心を閉ざさないで、

 負けないで、


 貴方の見ている世界は

 広い世界のたった一部なのだから


 そんな世界を 全てだと思わないで


 貴方は独りだった


 けれどずっと独りきりだとは限らない



 ――私は優しく語りかけて


 ――そしてそっと、小さなその手をとった


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詩集 心奏でる旋律 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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