第18話
燈吾の声が、紘之助の耳元で囁かれる。その声も身体も震えていて、自分が気づかぬうちに何か恐ろしい目に合ったのかと青ざめたが、彼の言葉を理解した
「お前まで失うことになったらどうしようかとっ…
燈吾は、家臣たちに
「申し訳ございません…」
「-もう、もう隠し事はないな?もしもあるなら、まだあるのならば、いま教えてくれっ…頼むっ…」
「-…
「聞く」
決して大きくはない紘之助の手が、自分の背の上で震えているのを、燈吾は感じていた。
(
{-…ある夜、駆け出しの下忍であった少年が、任務を終えて自室へ向かっていると、
そこまで声に出すと、ビクリと燈吾の身体が固まった。おそらく何を話そうとしているのか、思い当たったのだろう。
{少年は、
今度は、キツく紘之助を抱き締めていた腕が
{少年は爪を
燈吾は気づいた、この話が、藤丸視点での話である事に。彼は…紘之助は…、
{少年が、
藤丸を殺した下忍たちには、聞き取れないほど小さく
彼は、知って初めて納得した。双子なのだから、一緒に育っておらずとも、色々なところが
燈吾は、紘之助の目元を親指でなぞった。
「…鬼には見えぬ」
「…正直に、申し上げます」
「この姿は…前世の姿、もう一つ人の姿、そして、鬼の姿がございます。もし…」
「見せてくれ、本来の姿も、私は見たい」
.
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