迸る感情とせつなさを読み上げた心に響く詩集です。著者の高い感受性が透明で残酷でもある世界観を紡ぎ出しているように思えます。
思っていても、なかな出せなかった言葉たち。心の中にあったけど、どう外へ出していいかわからなかった言葉たちがここにありました。ゆらゆらと。ゆらゆらと。その優しさはいつまでも――。
人の心のダークな部分に響くような詩の数々。ガツンっと痺れます。静かな旋律の中に、赤い赤い血が流れているのが感じられるというのでしょうか、上手く表現できませんが、人が目をそむけたくなるような部分も見ようとする覚悟が伝わってくるようでした。特に「茫漠たる原野にて」には脱帽です。あっぱれ。