分岐点

壊れてしまおうか

いっそ、このまま


デートに誘うような口調で

私に手を差し伸べたあなた


笑ってない目はどこまでも澄んで

冷たいほどの悲しみを湛えていた


壊れてしまおうよ

ふたり、一緒に


甘美な言葉は毒を含んで

私の心を震わせる


誰にも愛されない世界から羽ばたく

ただひとつの呪文のように


差し出された手を握って

頷けば良かった

そうしたら答えはきっと

違っていたのかもしれない


壊れてしまったね

あの日、すべてが


翔べない鳥は夢見た空へ

飛ばない鳥は空を見上げ


生と死の狭間を抜ける

痛みだけを分かち合って



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