失った恋

想うことが辛かった

一番近くに居ても想いは

届かないことを知っていたから


私ではない誰かを

愛しく想うきみは眩しくて

ただ、笑うのが精一杯で

泣くことも出来なかった私


それでも想わずに居られなかったのは

きみへの未練じゃなく

きっと失った恋への愛惜


夢を抱いて咲くこともなく

蕾のままで枯れていく想いの

儚さがほの甘くほろ苦くて

大人びた気持ちになれたせい


背伸びしていた思春期

切り取られたセピア色の思い出

忘れられないきみの笑顔


初めての失恋はビタースウィートに

今も胸をくすぐる……



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