七夕

笹の葉が揺れる

サラサラ サラサラ

願いという欲にまみれた

色とりどりの短冊が揺れる


他力本願を並べずとも

小さな努力を積めば叶うだろう

そんなことを考えては

皮肉な笑みを洩らしてばかり


だから、晴れないんだ

毎年 毎年

厚い雨雲に空は隠されて

疚しい願いなんて届かないよ


ほら 空が泣いてる

雨に打たれて散らばる短冊を

路行く人はゴミを見るように

冷たい眼差しで踏んでいくけど


濡れたアスファルトに映るネオンは

欲を呑み込んだ天の川みたいで

散った笹の葉も短冊も

いっそ相応しく見えるかもね




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