今を生きる

胸に刺さった

棘のような記憶を

ひとかけら、ひとかけら

引き抜く


流れ出るのは

涙なのか血なのか

もう判別はつかない

わかるのは、痛みだけ


刺さったまんまに

放っておいた

傷口にすらできなかった

弱さのせいで


目を反らすしかなかった

弱虫な過去じぶん

泣けばよかったのに、と

呟いた


意地を張らず

認めれば良かったのだ

背伸びなどせず

等身大で


過剰にかけた

自己への期待で

潰れていただけの

真実を


ちゃんと認めれば済んだのに

それすら出来なかった

弱虫な過去じぶん

解き放す


その弱さごと

抱き締めて

お疲れさまと

呟いた


もう、鎧はいらない

ありのままの私を

過去あなたから

確かに受け取ったのだから





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