風に吹かれて

目の前に道はない

道は私の歩む足元から

後ろに延びている

道は、私が生きてきた時間

だから目の前に道はない


生ける屍と揶揄されて

無為に過ごしてきた月日

それも道となっただろうか

振り向けば

限り無く続いて見える道


孤独に歩んだ道でも

よく見れば小さな花が咲く

平坦では無かったけれど

決して過酷では無かったと

今なら分かるおのが道


汗も涙も染み込んで

悔しさ悲しみ嬉しさ喜び

出逢い別れる度に得た

想いを刻んできた

道を


振り返り、眺める


この景色を目に焼きつけて

ふたたび歩み出そう

生きていく限り続く

命の大地を

悠然と



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