夜の薔薇

芳醇な馨を放つ この想いを

ワイングラスに満たして

あなたへ捧げよう


それは艶やかな赤色に揺れて

あなたの目を喉を

ゆっくりと充たすだろう


数多の心から絞り上げた 極上の一杯

満たされた怨嗟の聲は

あなたの耳には届かない


いいや、届いているのか

心地好い調べのように

聲はあなたを酔わせているのか


美しく咲き誇り続ける あなたは

氷のような微笑を浮かべ

明けない夜に君臨する大輪の華


今宵も、

ワイングラスに満たされた呪詛に

孤独を深めて散り急ぐ


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