忘れ物
ちょっとだけ
ちょっとだけ待ってくれないか
大事な忘れ物を思い出したんだ
この道、そうこの道の先
あの駄菓子屋の横の
赤くて丸い郵便ポストを過ぎて
電信柱を三本数えた先の
山茶花の生け垣の角
ああ、そうだ、生け垣の角を曲がって
そこに僕が居るんだよ
あの日の夕方
はぐれてしまって途方に暮れて
迷子になったままの幼い僕が
両手に宝物を握りしめて
探しに来てくれるのを待っているんだ
とうの昔に忘れてしまった僕を
ずっと、ずっと…
大事な忘れ物を
迎えに行かなきゃ──…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます