奔流の果て

汲めども汲めども想いは尽きない

溢れてくるのだ、止めどなく


汲み上げる手が、言葉が、間に合わないほどに


狭い井筒を溢れ

流れ出す、迸る、かたちを嫌うかのように


想いの奔流を押し込められるものなど

どこにも無いのだ


何処までも何処までも自由に奔放に

想いは溢れる、満ちていく


整然と列を為す言葉も、感情も、ひとたまりなく呑み込んで


ものみな全てを侵食し

かみ砕き、崩落させ、無へと還す


奔流はやがて羊水のように

私と世界を包み込む


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る