ジャンジャンと鳴る目覚ましの音楽で目覚める。


重い頭を起こして、気を失うまで眺めていたツイッターを開き、自分の直前の呟き時間を見て睡眠時間を計算する。


結構寝たな、とぼんやり考えながら、暖かい布団からもぞもぞと這い出る。


くっと伸びをして、家族が慌てて出かけた跡が残るリビングで身支度を始める。


洗った顔に化粧水を叩いて、ぼーっと子供向けの教育番組を眺める。なぜか真剣に見入ってしまって、いつも出かける時間に間に合わない。


バタバタと靴を履いて家を出ると、まだ少し冷たい空気でやっと目が覚める。


駅までの道中は、鍵ちゃんと閉めたかな、ガス栓閉まってるかな、電気は消したっけ、と心配事を並べて歩く。


そして、電車に乗って窓から外を見ていると、昨日の悲しさがひょっこりやってきて、昨日はこうだったね、ああだったね、とご丁寧に内容をおさらいしてくれる。


でも、昨日みたいにいちいち付き合ってやらない。


耳にイヤホンを挿して、プレイヤーの電源を入れる。わざと音量を大きくして、悲しみを追い払う。


どうせ今夜も、お前と話をするから。

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