私と悲しい

弱音


今夜も悲しい。


はっきりとした何かがあるわけでもなく、

漠然と、ぼんやりと、悲しい。


私は、はじめはその悲しさを見てみぬふりしてみるのだが、それはみるみる大きくなって私のことを引き止める。



脳みそは意地悪で、ぼんやりとしていた悲しさに、私が悲しみそうなエピソードを当てはめてくる。


それは大抵、大切な人のお葬式だったり、事故だったり、自分の死だったりする。



そんなこと、考えなければいいのに。



考えを止めようとすればするほど、悲しみは押し寄せてきて、私を誘う。


そのうちに私は諦めて、悲しさを受け入れてしまう。そして、溢れてしまうほどの悲しさと一緒に眠る。

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