第21話 西の現実

「西の現実」


無関心が蔓延るこの世界

自然が言う

目を覚ませ、と


鈍り切った感度は

もう取り戻せないから

瞬間の衝撃で崩すしかない


色付いた花々も樹木も

見る間に飲み込まれ

濁流は万人の背後に迫った


これが自然

畏ろしい大自然


どこもかしこも滅茶苦茶だ……


美しい未来など描けず

涙が溢れかえったまま

朝が来て、日が暮れる


何も進まない現状に

目を覆いたくなるけれど

現実を非現実と捉えるほど

愚かな存在ではないのだ


無関心を剥ぎ取られたこの世界


理解しがたい現実に抗い

無抵抗な両手を下ろして

ひとりずつ戦う姿勢を取るのだ

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