第22話 浅い眩暈

『浅い眩暈』


浅い眩暈が意識を殺すように

幼き悪魔は明日を奪いますか


この灼熱地獄のもと

透き通る青空を見上げ

すべては現実と悟る


突然襲った一陣の風に

揺すられた木々の葉は

この手に零れ落ちた


あゝ、時のまにまに

誰かの夢を数えても

真実など何処にもない

辺り一面に張り裂ける声

失うものなど何もなかった


さようなら


その一言の重さを噛みしめ

古ぼけたドアを締め切って

数え切れない溜息をつく

救いがたい未来は誰のせい

決断と裏腹の選択に身悶え

透明人間は今日も消えゆく


この広大すぎる宇宙で

貴方たちと出会った奇跡は

消えゆく記憶をきっと補う


遠ざかる意識は明日を導く

浅い眩暈は過去を消せないから

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