第15話 或る病

「或る病」


徐々に陽が翳って

心に陰鬱な情念が巣食う


時の経過とともに自分を失う

幾たびとなくこの恐怖と戦ってきた


透き通る空に

橙色の夕闇が訪れ

あっと言う間に

漆黒の夜闇に転じる


そして人々はすべての身支度を終える


おやすみ……


ベッドに入る前に

遠い夜空を眺めて確信する

朝が来るまで夜が守ってくれる


夜闇に手をそっと伸ばし

星を手繰り寄せ

銀河の響きを

奏でる


そして決して叶わぬ夢を

ひとり待ち侘びる

浅き夢の中で

叶える


鼓動を感じる

生が脈打つ


心の中でつぶやく

おやすみ……

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