第11話 絆
「絆」
神々の怒りが地平線を襲う
神々の嘆きが水平線を絶つ
私は灯りを失いゆく地を離れる
宇宙はそんな遠いところにはない
掌に収まる寸法の宇宙に
まんまと騙される私
見通しはまるで立たない
私はここまでの歩みを肯定も否定もせず
真っ直ぐに、ただ真っ直ぐに歩んできた
今日が最高に美しいと感じるのならば
過ぎ去った昨日は忘れてしまうのだろうか
失った感動は単なる思い出なのだろうか
ゴーン、ゴーン
時を変える鐘が今鳴り響く
私の遥かな未来を思い浮かべたとき
君の過去と交差しているのだろうか
私達が特別な関係であるのならば
そんな虚しい空想を闇に葬る黒烏
ほらご覧
今を見つめ、過去を振り返っては
この目に見えることのない未来を
必死で掴もうと宙に手を伸ばすのだ
潮風にさらされた海べりの大地
夏の足跡が近付いてきたこの頃
錆び付いた船団の男どもが
私の胸の痛みを運び出してくれる
コツッ、コツッ
誰かが私を監視している
サーッ、サーッ
警戒しなくてもよいのだ
許されざる愚行を重ねる私を
神々はいつまで、どこまで責めるのか
諸悪はすべて私が心の中に閉じ込めた
私の中の悪は私自身が制御してみせる
北の風と南の風がぶつかっては飛び散る
私はその中継点に立ち尽くす
誰にも抵抗することなく
誰に抵抗されることもなく
未完成な大宇宙を少し覗き見してみたかった私
その咎がどれほど大きいものか私は知らない
私を促し、操るのは君なのか
君は私を成功に導く先導者たれ
成功は限りなき失敗の先にある
君と私との絆は永遠に続いてゆく
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