第10話 忘却の彼方に

忘却の彼方に


この世のありとあらゆる神々よ


私は漆黒の夜空を彩る星座

思いのままに姿形を変えて

衆人の視線を浴びていよう


夕暮れ時が迫るとき

陽光が徐々に弱まる

私は潜めた姿を現す


うっすらと

ひっそりと


私は夜空を彷徨う琥珀色の魂

万人がそれとわかる美の象徴

君達が滲ませる涙と相俟って

誰かと寄り添おうと誓うのだ


うっとりと

ゆったりと


過ぎゆく春のよう

迎えくる夏のよう

秋と冬は遠い過去になってしまった


或る大人が子を連れて

私達の夜空へ昇ってきた

私は「還れ」と一言囁いた


旅路の終着点は遥か遠い

君達はまだ終わりを知ってはならない

はじまりを忘れてしまったのと同様に

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