第10話 忘却の彼方に
忘却の彼方に
この世のありとあらゆる神々よ
私は漆黒の夜空を彩る星座
思いのままに姿形を変えて
衆人の視線を浴びていよう
夕暮れ時が迫るとき
陽光が徐々に弱まる
私は潜めた姿を現す
うっすらと
ひっそりと
私は夜空を彷徨う琥珀色の魂
万人がそれとわかる美の象徴
君達が滲ませる涙と相俟って
誰かと寄り添おうと誓うのだ
うっとりと
ゆったりと
過ぎゆく春のよう
迎えくる夏のよう
秋と冬は遠い過去になってしまった
或る大人が子を連れて
私達の夜空へ昇ってきた
私は「還れ」と一言囁いた
旅路の終着点は遥か遠い
君達はまだ終わりを知ってはならない
はじまりを忘れてしまったのと同様に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます