第9話 私が私である限り

私が私である限り


腐臭を放つ淀みにすら疎ましがられ

私はどこに生きればよいというのだ


満足そうに空を流れる雲も

限りなく遠く駆ける閃光も

すべてを散りばめた世界に

つと緩やかに引き裂かれる


夢のまにまに

心中を歌い尽くしたから

とめどなく流れる未来も

旅立った夜空にたゆたう


地の果てから湧き上がる太陽も

すべてがすべて現実なのだから

取り合わないのは偏に私の痛み

君だけを責めることはやめよう


あの瞬間に消えかけた星々を

すべて覆い尽くした煤色の雲

あゝ、それもいいじゃないか

奇跡はきっと永遠に包まれる


零れ落ちようとする涙さえ

その揺らぎを間際で留めて

もう一度だけ繋ぎとめたい


私の居場所をつくりましょう

君の居場所をつくりましょう

この世に居場所はまだありますか?


頼りない生は不自由の結晶

私にはもう私への期待はないから

この呪縛からこの身を放つがよい

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