第2話 恋に似た感情

「恋に似た感情」


浅き目醒めは霧の中

月を追いやるやうに陽が昇る


空に立ち昇る春霞

波に飲まるる夏嵐

紅に染まる秋景色

寒に耐ゆる冬時雨


気配を察して

足跡を隠して

存在を消して

残響を残して


やがて去りゆかんとす


春の陽のように

夏の宵のように

秋の涼のように

冬の凛のように


水の如く流る


四季を思ひて


それは、

やはり恋に似た感情

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