第4話幽霊の天国区

巨大な電子モニターに映し出された2人の姿はくっきりせずとも目立っていた。

「ここはまずい、地下に逃げ込むぞ!」

ハルは命令するとアカネは言い返した。

「そんな命令しないでもらえますか?!こう見えて私の方が100歳以上歳上なんですからね?!」確かにそうだ、未来の世界でのアカネの年齢は130歳を超えた辺りだ。

結局そんな事を述べたところで地下へ逃げる以外方法は無かった。

マンホールから下水道へ行き、真っ暗な道をひたすら真っ直ぐに走るとひとつの光が見えた。

2人は思い切り飛び出すとそこには大きな広場があった。

「なんだ?ここは...」

そこは地上の人間からすると楽園とも言える場所だった。

何にも縛られず自分の意思で行動し他人に合わせる必要も無い、まるで以前の時代に遡ったような感覚だった。

「おっ!ようこそゴーストヘブンへ!!」

沢山の人が2人を歓迎してくれた。

ハルはアニメの様な広場の名前は触れなかった。

するとアカネは何故こんなことをやっているのかと尋ねた。

すると1人の男性が答えてくれた。

「ここには世の中からいなくなった人間が集まる場所だ。」

ようするに、地上で「死んだ 」と言われる人達が地下で自由な暮らしを満喫している事そうだ。

だがずっとここにいて大丈夫なのかと不安になる。やはり食料など色々なことで気にかけるところがあったからだ。

だがここは全てが揃っていた。

川から流れてくる水を綺麗にする設備もあり畑もあるので野菜なども収穫することが出来る。

ここで手に入らない物は地上へ行ってカメラに映らないよう買い物を済ませる。

また、野菜やハンドメイドの小物を売る時も地上の商店街の路地裏でこっそりと売り収入を得ていた。アカネのいた時代に流行っていた「フリマアプリ 」などもこの世界ではまだ需要があり活用されていた。

結局、ゴーストヘブンにいれば何も心配する必要は無いのだ。

だがその考えが後に崩れる事になろうとは今はまだ誰も知る由もない。

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