016:魚へん


「漢字成り立ちの理由は様々ありますが、魚へんに限ってはわかりやすいものがほとんどです」


「いつも君はいきなり始めるねえ」


「例えば『いわし』。これは鰯自体が弱い魚だからです」


「どストレートっすな」


「他にも『かつお』は鰹節にすると堅いからとか、結構そのまんまのもあります」


「へえ、ためになる」


「でも特に多いのは旬の時期になぞらえたものですね。『あじ』は三月が旬ということで、その月を表すが使われています」


「なるほどね。じゃあ『ぶり』も師走、つまり十二月ごろが美味しいからかい?」


「その通りです。『たら』も初雪の後くらいが旬らしいですし、魚へんの漢字は結構単純です」


「そのようだね」


「ここで問題ですが、『さば』はなんで鯖と書くんだと思います?」


「そんなの簡単さ、鯖は青魚だからだろ。その青だよ」


「ふふ、でもよく見てください。鯖という文字を。実はこの漢字の右側、青とは微妙に違うんですよ」


「ほんとだ⁉︎」

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