015:死ね
「聞いてくださいよ、先生!」
「どうしたどうした」
「お母さんったら、ほんと酷いんですよ!」
「何がさ」
「あんたは自慢の子供だって褒めてくれたクセに、話の最後に『死ね』って言ってきたんです! あんまりじゃないですか⁉︎」
「本当なら穏やかじゃないねえ……」
「本当ですよ! 私を疑うつもりですか⁉︎」
「いや、そういうわけじゃないけれど」
「ほんとに『Shine』って言ってきたんです!」
「え?」
「だから『Shine』って! これ、死ねですよね⁉︎」
「……それはシャイン、輝けという意味だよ」
「へ?」
「要するに将来大物になれってことだろうね」
「は、恥ずかしい……」
「親の心子知らずとはまさにこのことだ」
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