010:『』


「面白いものを持ってきました」


「どんなの?」


「『』です」


「?」


「分かりにくかったですね。私が持ってきたのは『』←です」


「ああ、二重鉤括弧のことね」


「何かと単語の説明をするときに使う『』ですが、これをいつもと違う使い方すると面白いんです」


「ほお、やってみせてよ」


「いいですよ」


「どれどれ」


『どうです』


「まるで電話越しみたいだね」


『そうなんです。ただ「」を『』を変えただけなのに、電話やスピーカーから聞こえてる声みたいになるんです。さらにアレンジを加えると、もっと面白くなりますよ』


「やってみてよ」


『ワカリマシタ』


「あ、君が機械みたいになった」


『ソウデス。台詞ヲカタカナニ変エルト、ロボットミタイニナルンデス』


「面白いけど読みにくいね。ところで今回のオチは?」


『…………』


「用意してないんだね」


『私ハ、アト10秒デ爆発シマス。ピッ、ピッ、ピッ……』


「爆発オチかよ⁉︎」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る