第24話

なんで自分のことを

僕って言うのか?


それは

僕って言う響きは

小学生の男の子に

大人がかける言葉。


カタカナでボクに

すれば良かったかなぁ。

いやいや。

キミとボクじゃ

なんだか文字が

フワっとしちゃう。


へんなこだわりだね。


世間知らずの自分。

だから僕なんだ。




卵巣のう腫の手術は

親の承諾が必要で

また母親の世話になる。


母親のお腹にいる時から

遺伝子レベルで

決まっていて

卵巣に歯や髪の毛が

育ってしまったらしい。


母親に

こんなふうに産んで

ごめんね。と

謝れた。


いや、

お母さんせいじゃ

ないと思う。



手術は

下腹を縦に15センチも

切られた。

切腹じゃん。



中の方を

横に切ったらしい。

話だけだから

僕にはわからない。


僕はお腹の傷を見て

悲しくなった。


水着は無理だ。

泳ぐの嫌いだから

別にいいけど。



尿路結石より

この入院のほうが

長かった。



相変わらず

僕の家は

キミが守っていた。

感謝していた。


でもなかなか

伝わらなかった。

入院ばかり

してるから。





退院して

また職を探していた。


たまたま偶然だった。


僕の最初に働いていた

職場の人で

まだ僕を邪険に

しなかった人がいた。


その人の

同業のお友達で

人を探してると

教えてくださった。

僕は喜んだ。


紹介してもらって

就職できた。


もう失業保険を

マックスもらったから

職安は通しても

意味がなくて

どこに就職しようが

関係なかった。



新たな就職で

希望を持っていた。




そんな希望は

すぐ覆される。


紹介してもらえた

お友達の方はとても

気のいいおばさんで

仕事が終わってからも

仲良くしてくださった。



その人と

職場を引き離された。

悲しかった。

唯一の理解者が

またいなくなる。



僕が就職した会社は

委託の会社だった。


委託先に

配属されて

働くシステムだ。


一緒に働いていた

病院は廃業になることに

なったので

別々の場所に

配属になってしまった。



その新たな委託先で

僕はまた地獄を

味わうことになる。





その頃は

キミは就職していたから

給料をもらっていた。


通帳にドンドン

お金が貯まって

良かったじゃん。


僕は相変わらず

お金がなかった。



職場は

僕のほかに

3人いた。


その中の一人が

お金持ちで

片手間にパートで

働いていた

45歳の人がいた。


私はその人に

第一印象で

嫌われた。


意味がわからない。


それはその職場で

3対1になる原因になる。


女なんて嫌いだ。

人を蹴落とすんだ。

常にターゲットを

見つけては

悪口言うんだ。


僕は結婚を理由に

辞めるときまで

ずっとターゲットに

された。


1年と3ヶ月。

よく耐えた。

思い出したくもない。

12月のボーナスまで

耐えられなかった。


11月20日で

辞めたことだけ

よく覚えている。



僕はその会社では

栄養士の中では

年は上のほうだった。


若い子に混じって

会社の栄養士会に

参加したが

なんか違う。


僕は何年か

仕事をしてないから

情報が古いまま。

その中でも

キツかった。


国家資格を

取るには

実務経験を2年

必要であるが

僕はもらえなかった。


最初の職場に行けば

もらえただろうが

何度も不合格で

恥ずかしくて

もう行けなかった。


ほんとに

キミと結婚したくて

がんばればよかったのに

僕の勉強の仕方を

キミにからかわれて

キミの前で

勉強したくなくなった。


いや勉強自体を

辞めてしまったんだ。


人のせいにして

僕は自分の未来を

考えてなかった。

気のみ気のままで

生きていた。


結婚は

国家資格取らなくても

出来るって勝手に

思ってた。


母親の糖尿病を

支えようと

学校に行ったのに

資格ももらえたのに

全然活用しなかった。




僕はクズだ。










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