第19話
車の運転をしながら
キミのことを
考える。
僕はキミのことを
書くようになって
もしかして
悪口ばかり
書いているのでは
なかろうか?
キミのこと
好きだったって
言っておきながら
ああだこうだと
不満ばかり
言ってる気がする。
キミの想いは
いつまで僕に
あったのか。
そして
僕は僕のことばかり
考えていて
キミのことを
考えてはいなかった。
そう思うんだ。
僕は
一人暮らしだったから
寂しくて
キミが来たことを
喜んだ。
キミは僕のことを
利用価値があるか
ないかの考えから
僕の家に来た。と
僕は思っている。
利用価値。
僕にはあるテーマで
突き動かされていた
部分がある。
いかに人に
必要とされているか?
僕は
必要とされてるか
されてないか。の
されてない。と
思った時
非常に落ち込んだ。
死にたくなるくらい。
消えてしまいたい。と
悲しんだ。
だから
利用されても
良いのだ。
必要とされることは
いいことなんだ。
性処理でもいい。
僕はそれで
よかったんだ。
だからキミが怒って
僕を無視する姿を見ると
ほんとに落ち込んだ。
僕は必要ないの?と。
キミとほんとに
楽しい日々を
送っていたのは
アパートに住んでた頃
だけだった気がする。
キミは居候先から
僕の家に転がり込んだ時
大量の荷物だった。
手狭だったから
引っ越したんだっけ?
だって職場に歩いて
2分くらいの場所に
住んでいたんだよ?
それが
車で5分以上かかる
ところに移るって
どうしてだった?
キミは一軒家を
見つけてきた。
キミのバイトの
知り合いの人に
保証人を頼んだけど
契約者は
僕だった。
僕の職場は
半分家賃を負担して
くれたから
そうしたと思う。
最初は
それでもよかったけど
傷病手当や職安の
失業手当をもらって
生活してた時は
キミでも良かったと
今では思う。
ほんと
荷物が多い。
大量の漫画、ビデオ。
お兄さんお下がりか?
大量の服。
いつ行くんだ?
スキーの板。
なんで買った?と思う
ボクシングのサンドバッグ。
とにかくデカい。
天井までいっぱい。
こいつはアパートから
ではなくて
居候先の演歌歌手の
事務所から直に運ばれた。
ワンルームの部屋から
してみれば
広い家だったが
押入れは
荷物でいっぱいになった。
二階建てで
二階は2つ部屋がある。
洋間はキミが取った。
和室は
服と洗濯まみれで
スペースは
1人座るくらい
しかなかった。
台所に例の
サンドバッグは
置かれた。
邪魔。と思っちゃ
いけないと
言い聞かせる。
一階は
台所と和室が2つ。
お風呂、洗面所
トイレ。
玄関は南の真ん中に
西に六畳和室。
東にトイレ
トイレから
北へ洗面所、
その奥に台所。
台所の一部が
お風呂だった気がする。
なんとも古い家
だったから。
北と南で
和室があった。
台所の西側が寝室。
南側にあった和室は
居間。
玄関の西側の。
大量の本は
寝室の押入れを
埋め尽くした。
南側の居間には
小さな押入れしかなく
キミが使っていた。
二階の押入れは
和室にあったが
私の荷物を
入れさせてもらった。
大量のビデオは
二階のキミの部屋に
入れたんだっけ?
スキー板もそこに
あったかしら?
なぜ知らないかと
言うと
僕は入室禁止だった。
怒って部屋に
籠城してた時は
よくドアの下に
ご飯を置いてた。
最長4か月
それをやられたこと
あったよね。
ワンシーズンじゃん。
エアコンは
なかったから
秋から冬かもしれない。
南向きの部屋の
夏の籠城はキツい。
僕も真似して
隣の部屋で
籠城してみたけど
全く意味がない。
数時間で終わる。
でもこの一軒家は
気に入ってたんだ。
最初は。
屋根に登ったら
夏の花火大会が
バッチリ見えたんだ。
特等席。
でも
家から少し離れてたけど
マンションが立ちはだかり
花火大会は
見えなくなってしまう。
一軒家はそのうち
僕には地獄と化す。
僕はその家で
だんだん身体を
壊していく。
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