第18話

僕はとにかく

キミに甘かった。

何でも否定することなく

受け入れた。


キミと僕に

格差を生んだ原因は

なんだっただろう。





最初から

格差はなかった。


人には

とても仲が良い

兄妹みたいに

見えたらしい。


僕たちをよく知らない

顔見知りの人々に

よくそう言われた。



僕は何となく

嬉しかった。

キミは嫌がった。





僕はテキトーだった。

キミはそこが

許せなかったようだ。


テキトーにやっては

失敗して怒られる。

僕に反省という

言葉がないのか?


いやいや

ちゃんと反省は

したよ。


覚えていないんだ。




僕はキミが

働いてなくて

僕のお金で食わせてる。と

いう偉ぶったとこが

あったんだろう。


恩着せがましい。と

よく言われた。


恩着せがましく

したつもりはない。


しゃべり方というか

方言とまでは

いわないが

育った環境だ。



よく怒られた。

そういうものの

言い方をすると

キミは気に入らない。




そういう些細な

気に入らないことが

どんどん

蓄積していったんだろう。



褒められたことはなくて

ずっと怒られるのを

気にして

ビクビクしてる状態。


精神的にだいぶ

疲れてしまったのは

事実。




ニートだったからこそ

僕みたいなやつと

付き合ってくれたんだ。


ちゃんと働いてたら

僕のところには

来ないと思う。

キミって顔は

いい男だったから。



現実、僕と別れて

すぐくらいに

彼女がいた。

同じ職場の人だ。


結局キミは

その人と結婚した。




キミはその人の写真を

見せてくれた。


僕は見ているようで

見なかった。


僕以外の人なんて

興味ない。


キミはその人を

携帯の待ち受けに

していた。


気持ち悪い。と

思った。


気持ち悪いって

感情をどう表現したら

伝わるだろう。


虫唾が走る?


やけに不快に感じたんだ。

それを見ただけで。


その時は

一緒に食事を

していたのだけれど

帰りたくなった。



僕だったらキミは

そんなことしない。

絶対しない。

腹が立った。


キミに腹が立ったんじゃ

ないんだ。

大切に想ってもらえなかった

僕に腹が立ったんだ。


それと同時に

1ミリの期待も

持てないことを

知らされた出来事だった。


その人のことが

大事なんだ。と。




それから僕は

携帯の待ち受けを

現存する人物には

しなくなった。


アニメキャラ。


それが一番いい。


いちいち個人情報

晒してバカじゃん?と

思うことで

その現実から

逃避した。

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