第16話

アニメや漫画、

ゲームでは

episode 0って

あるよね。



なんだアレ。って

思ってたけど

今ならわかる。

episode 0。


僕のepisode 0は

こうなんだ。





僕は父親の叔母が

勤めている病院に

就職した。

コネで就職できる

時代だった。


他の人に比べたら

弱いコネでは

あったけれど

おばさんは

とても信頼の置ける

人だったから

入社できたのだと

思う。




僕は箱入りで

世間知らずだったから

職場では

いっぱい失敗した。


失礼な振りまいの

数々。


そんな僕を助けて

くれた先輩がいた。


でも僕、先輩を

思いっきり

後ろ足で泥を

かけていた。


僕は先輩を

好きって言っていた

職場の人を

好きになった。


その人は僕より

8歳年上だった。

でも同期入社だった。


携帯やスマホが

ない時代だったけど

連絡を取り合って

ご飯を食べに行ったり

遊びに行っていた。


何もかもが

新鮮だった。



最初は

僕の同期のもう1人の子と

3人で遊んでいた。


そのうち

僕とその人だけに

なっていった。



そしていつしか

一線も超えた。


その人の家に

こっそり入れてもらい

一夜を過ごし

そこから仕事に

行ったことも

しばしば。


遠くまで

遊びに出かけて

ホテルに行ったり。


すっかり

そんな生活が

板についてしまった。


僕は体だけの

関係でも良かった。

でも先輩には

負けたくない。


その人は

お年頃だったから

お嫁さんが

欲しかったんだ。


僕と遊んでる

わけにもいかない。



僕はよく

お菓子を作っては

職場に持っていった。

先輩にへんなライバル心を

持っていたから。




先輩は

お菓子作りが

上手だった。


頭が良くて

職場の人達は

一目置いていた。


お菓子ばっかり

持ってくる僕に

その人は

こんなことを

言ったんだ。


お菓子ばっかりじゃ

生活できないよ。


お嫁さんが欲しい

その人の言葉は

重かった。




その人に

こんなことも言われた。



世界で1番大好きな

人とは結婚できないんだよ。

2番目以降の好きな人としか

結婚できないんだよ。



その人のココロの

叫びだったんだ。と

今ならわかる。


大好きな先輩と

一緒になりたかったんだね。



なんと

僕はその言葉に

縛られることに

なるんだ。



そんな

不規則な生活を

送っていたが

終わりがきた。


出入りの業者さんと

仲良くなる。

そして友達を紹介してもらう

という約束を取り付けた。



その友達が

キミだった。


僕はキミがきて

嬉しかった。



キミはどうだったか

知らないけれど

僕はキミが好きになった。




言葉に縛られるって

あるんだね。

キミは僕の1番に

なったんだ。


あの人が言う

1番だと結婚できない

じゃないか。


そんなことを

考えていた。



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