第12話

キミのことを

書くことになってから

溢れくるんだ、

思い出が。


いっぱい書きたいことが

あるんだ。

次から次へと。




キミはテレビが

好きだった。


僕は最初は

テレビしか持ってなくて

録画なんて

できなかった。


それをなんとか

したいと思ったキミは

ビデオデッキを

買いに行ったか

どこかから

もらってきたか。


覚えていないが

録画可能になった。


買いに行ったとすれば

ディスカウントだ。

そこら辺はまぁいい。




ビデオはキミの

好きなもので

いっぱいだった。


それは

アニメだったり

お笑いだったり

ゴルフだったり。


キミは

録画するのに

忙しかった。


ビデオカセットも

大量にあった。


つい最近22周年を迎えた

推理アニメの

初回放送が入ってたのを

観た時は

ちょっと感動したね。

すごいわ。



大物お笑い芸人が出る

テレビ番組は

必ず観ていた。


僕は別のが観たいと

思っていたが

我慢した。

キミが怒ると怖いから。


だからテレビを

のでなくて

ただ



それを我慢してでも

僕はキミにいてほしいんた。

愛情?友情?

今となっては

それもわからない。




よくレンタルビデオにも

行ってたね。

キミは選ぶのに

とても時間がかかる。


僕はキミを

待ってばかりだ。

待つのはいやだけど

でも待つしかないんだ。



どんなジャンルを

借りていたかは

あまり覚えてないけど

アニメなら一つ

覚えてる。


昭和のアニメで

内容は空手。


えっこれ?

と思って一緒に

観たものだ。


今ケーブルテレビで

再放送の宣伝を

観たりすると

懐かしくて懐かしくて

ほんと

泣きたくなる。



アダルトビデオの

コーナーにも

入っていったね。


僕一人じゃ

入るの恥ずかしいので

一緒に入ってもらった

ことがあった。


目がチカチカする。

すごい場所だ。


たまらずキミは

僕を触ってきた。

店員さん、

見てないか?






レーザーディスク。

こんな再生装置は

今はないけど

あの頃出回ってた。


僕の友達が

再生装置を貸してくれて

例のシンガーソングライターの

レーザーディスクを

観たね。


装置は高価で買えなかった。

友達に売ってくれ。と

頼んだ。


買った当時

7万だったが

半額の3万5000円で。

と言われた。


再生しかできないのに

その値段?と

思った。

新品買えるのでは?


僕はその友達にも

頭が上がらなくて

その値段で

売ってもらった。


キミがお金を

出してくれたかも。

僕はそんなお金

ないはず。



レーザーディスクを

観るには

その装置は必要。


だけど

さすがにもう

持ってないだろ?


いや

わからない。




キミは僕の家を

出るとき

その大量にある

ビデオカセットと

漫画はちゃんと

持って行ってくれた。


置いていったものは

そのあと僕は

2回ほど引っ越しするのだが

その度に

処分することになった。



キミのものは

持っていられなかったんだ。

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