第8話
こうして
書くようになって
いろんなことを
思い出しては
次はこんなこと書こう。
なんて思うと
仕事も手につかないよ。
キミは犬が
好きだった。
茶色の柴犬の雑種を
もらったことがあった。
アパートだったから
当然飼えない。
僕の実家に
泣きついて
飼ってもらった。
一軒家に棲むように
なってから
キミとまた犬を飼う
ことになった。
実家には
柴犬の雑種がいるけど
もう大きくなっていた。
ちょっと大きくなった
仔犬だったが
雑種で
額のところが
ハートみたいになってて
かわいかった。
オス。色は白。
キミは犬を可愛がったが
僕と別れる時は
犬を置いていった。
僕は犬に縛られることに
なった。
キミは僕とのつながりに
犬に会いたがった。
僕には犬は重荷に
なっていた。
一軒家は別れてすぐ
契約を切られた。
だから出ていかなければ
ならなかった。
犬を連れての
住むところは
なかなかない。
結局
今の僕の連れ添いが
紹介してくれた
犬がいても大丈夫の
アパートに移ることが
できたからよかった。
僕はその白い犬を
連れたまま
その人と結婚した。
結婚する前は
僕はキミにあわせるため
犬を連れて
キミの家に行ったね。
犬を口実に
キミに会いに行ったんだ。
キミは僕と別れてから
職場の近くに
移り住んでいた。
久しぶりに会うキミ。
痩せてしまって。
胸が痛んだ。
ちゃんとご飯食べてる?
僕は付き合っている人が
いるのに
キミの求めに応じた。
別れてもキミが
好きなのは
変わりなかった。
キミは僕と
子どもができてもいい。
そう言ってくれた。
でもそんなこと
もう遅いんだ。
僕たちは
もう別れたんだ。
付き合っているときは
頑なに拒まれた。
なのに今さら?
僕には
付き合っている人が
いるんだ。
ほんとにもう
遅いんだ。
キミはまだ
僕のことを
好きでいてくれた
のだろうか?
犬は
僕が結婚し
子どもが産まれて
その子が2歳に
なるくらいまで
僕の家にいた。
犬は不幸せだった。
キミがちゃんと
面倒見てくれてたら
もっと長生き
できたろうに。
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