第4話
一緒に棲むように
なったけど
ケンカというか
不仲だったよ。
だって僕は年下で
キミの言うことを
ちゃんと聞ければ
よかったのだけど
よく失敗してね。
口をきいてもらえない
日が何日も何日も
続いて地獄だった。
ワンルームのアパートに
棲んでいた頃は
そんなにひどくは
なかったんだけど
一軒家に引っ越してから
ひどくなった。
自分の部屋って
僕にはなかったけど
キミは物件を見たときから
ここは私の部屋。って
決めてたね。
ご飯を作って置いておく
日々が何日も続いて
泣いても仕方なくて
許してもらえるのを
待つしかなかった。
僕はキミに
就職してもらいたかった。
僕に負い目を持たないように。
僕は職安に行くキミに
よくついていった。
付き合い始めた頃は
バイトのようなことを
していたんだ。
だけどその会社は
ダメになって。
キミはゴルフが
大好きだった。
僕はキミのチカラに
なりたくて
ゴルフの道具を
買ってあげたかった。
でも僕には
お金がなかった。
だから安い道具を探しに
お店を回って回って
安くて気に入ったものを
買うようにしたんだろう。
就職もそこまで好きなら
ゴルフ関係をと。
僕は電話帳を見て
電話したりして。
僕はキミのチカラに
なれたのか?
キミはゴルフ場で
働き出した。
職安にもちゃんと
出てたから
僕が紹介したわけでは
ないのだけど
なんだか嬉しかった。
キミは働くことによって
人間関係の世界は
広がったのだろうね。
僕のやることは
気に入らなくて
怒ることが増えた。
怒られるほうが
まだよかった。
僕を無視し続けるんだ。
でも家には
帰ってくる。
ご飯を食べるのか
風呂に入るのか
わからなくて
困ってばかりで。
手紙でやりとりした
記憶はある。
仕事着を洗濯して
畳んで置いておく日々。
キミには僕は
どう映っていたのだろう。
ただのお手伝いさん?
地獄だった。
死にたくなった。
死にたくて
薬をいっぱい飲んだことも
あった。
死ななかった。
なんで口をきいて
もらえなかったのか
別れるときも聞くことは
しなかった。
僕は辛かった。とは
言ったと思う。
思い出したら
泣けてきた。
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