容疑者Xの献身

 友だちに「この日遊ぼうぜ!」と連絡したら「その日映画観るんだ!」と言われた。

「『沈黙のパレード』観るから一緒に行こ! 『容疑者Xの献身』傑作だから観といてね!」だってさ。



 ほーん東野圭吾のガリレオシリーズですか。


 知ってますよ一冊だけ読んだことあるもの。おそろしく読みやすくて「なんだこの傑物は……売れてるだけあるわ……」と背すじが凍りついたもの。


 でも一冊しか読んでないのよね。ミステリそんなに興味ない。



 んで、シリーズ最高の一作と名高い『容疑者Xの献身』観てみましたとも配信で。




 傑作……!!!




 いや、正直なめてました。ドラマの映画化って『踊る大捜査線』くらいの感覚だと思ってました。どうせ2時間ドラマのノリでしょって思ってました。



 「映画」でしたわ……!



 もう最初のシーンから「あっ、これすごく意味のあるシーンだ! 今はまだわからないけど最後にかけてすべてがあきらかになるシーンだこれ! 計算されつくしてる演出意図だわ間違いないわ!!」ってなりましたもの。


 で、ガリレオさんが来ておなじシーンを繰り返して……、、


 えっ、不穏!!!



 そのあとはもう。ね。

 つうか観てよ。

 観なきゃダメ。観て。いい映画だから。


 何べん騙されたことか。まじかようわあああつてなったわ。


 愛だわ。

 愛の物語だったわ。



 まあ、雪山のシーンそんなにいらなくね? とか、

 最後の嗚咽のシーン、これが好きな人いるんだろうけど演技過剰……というか感傷的すぎて、私この邦画のノリ苦手なんだよなあ……とかとか、


 そういうのはありましたけれども。


 好き。

 いいよ。

 これはいい。



 あとで友だちに、映像では使われなかった原作のセリフを教わりました。




 人はただ健気に生きてるだけで 誰かを救っていることがある by東野圭吾




 この言葉の示すところのシーン、本当に良きでした。


 素敵な映画をありがとう。


 ありがとう……うっ(涙

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