ミッドサマー
ホラーには二種類あると聞いたことがあります。
ひとつは理不尽ホラー。なにも悪くないのにひたすらひどい目にあう。
そしてもうひとつは自業自得ホラー。悪いことしたから因果応報。的な。
わりと話題になっていたのでもっとハリウッド的なわかりやすい映画かと思っていました。そしたらあーらびっくり。なんともゆったりとしたテンポで進みます。
しかも陰鬱。
主人公はいつも不安を抱えている。躁うつ病の妹に引っ張られてメンタルは弱々。
彼氏に相談しますが、自分でもうざがられているのではないかと疑心暗鬼になっている。もちろん彼氏はそんな彼女をうざいと思っていて、でも優しいから見捨てられなくて、でもやっぱり彼女の悲しみを負いきれなくて重荷に感じている。
そして彼女は一人になる。
ここから始まります。主人公は家族を失い、女友だちもいるけれど電話で励ますだけで画面には一切出てこない。唯一つながりのある彼氏と、その友だちとつるんでいる。でも、彼氏の友だちもみんな主人公のことを疎ましく思っている。
……いや、彼氏の友だちの一人だけが、心から彼女のことを心配してくれている。
これは、その人の故郷へ観光目的で行った主人公が、家族を見つける物語。
なんて見方もできるけどフツーにホラー☆
でも因果応報型ホラーなので、悪いことしてない人は(基本的に)ひどい目にはあいませんよ☆ だから大丈夫☆(なにが?)
レビューを見ると「カルト」とか「ただただ不快」とかいう文言が並んでいますが、ええっ! あれカルトですか?! ただ自分たちの文化を守り抜いてるコミューンの話ですよね? 着ている服とか花飾りめちゃかわいい☆
文化人類学を学ぶ大学生たちは、こういう「理解されない文化」が「近代の文化」によって淘汰されまくった歴史を知っているからこそ、彼らを非難せず、理解しようとつとめるんですよ!(理解せず、批判した者の行く末は……わかりますね?)
つぎの展開がコミューンのタペストリーでわかる演出がただただ不気味で巧いです。ナウシカみたいだね。わお。言葉なく何が起こってるのかわかっちゃうぜ! あいつの飲み物だけあきらかにヘモグロビンの含有量多い色してますがな!!!
こわ!
でも衣装かわいい!
年齢近い人と暮らす家の内装すご!
こんなところでプライベートあんのかよ……と思ったら案の定以上の性交渉!
人類学的にはめちゃ面白かったけれど、ぜったい私は行きたくない!
鶏小屋のシーンで「生きてるの?!」って叫んじゃったもんね。こっわ。
おばけとか出てこないのでホラーが苦手な人でも大丈夫です。
グロはあるよ☆
主人公が居場所を見つける心温まるヒューマンドラマ、ぜひご鑑賞ください!!
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