バタフライ・エフェクト

 蝶のはばたき。

 その小さな空気の動きがめぐりめぐって、地球の裏側で嵐を呼び起こす。



 この映画は、まさにそんな「ちょっとしたことが、大きな結果を生む」話。


 タイムリープもので、私がいちばん好きな映画かもしれない。



 最高!!

 です!!!




 主人公は子どものころから、なんだかへんなことが多かった。

 父親は精神病院に入れられているし、記憶のない奇行に走ったりもするし。


 そうやって大学生になったあるころ、ある事件をきっかけに、日記を見つめる。

 そして彼は、タイムリープする。




「あのとき、ああだったら」

「あの場所で、あの人とずっと一緒にいたら」



 そんな妄想、だれだってしますでしょ??


 でもね、それって本当なのかしらって映画なんです。

 本当にそっちの道を選んでいたら、人生はよくなったのか?

 ちがうだろ??

 なにがいちばんいいのかなんて、だれにもわかりゃしないだろ???




 私には好きな言葉があります。座右の銘と言ってもいいでしょう。



 人生は一事が万事、塞翁が馬。




 中国のお話です。


 塞翁さんの馬が逃げちゃいます。しかし慰めてくれた人に塞翁は言います。

「いやあ、これがいいことになるかもわかんね」


 するとしばらくして、逃げた馬がいい馬をたくさん連れて戻ってきます。

 よかったね! と言う人に対して、塞翁は言います。

「いやあ、これが悪いことになるかもわかんね」


 しばらくすると、塞翁の息子が例の馬から落ちて怪我をしました。

「いやあ、これがいいことになるかもわかんね」


 一年後、戦争が起きて多くの若者が死にました。塞翁の息子は怪我をしていたので戦に行かず、無事でした。




 なにがいいことになって、なにが悪いことになるかなんてわかりゃしない。

 だからまあ、今を正直に生きるしかないんじゃないかね。


 そんな塞翁の言葉が聞こえてきそう。





 この映画の主人公もあれこれ試すけれど、状況はどんどん悪くなっていくばかり。


 ああ、見ていられない!


 なにをすれば正解かなんて、わからないよー!!

 人生は小説じゃないんだ! いいことも悪いことも、ない混ぜなんだよー!!




 ラストシーンは映画至上、もっともせつないハッピーエンドと言われています。



 そうだね。

 そうするしかないね。


 人生はままならないもの。




 せつなっ!!

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