第12話 魔王御一行②


 あれから更に砂漠の中を歩き続けた。

 魔王御一行の顔には怒りの顔色が見えた。

 特にエスの顔には他の者達よりも更に深い憤りが見えた。

 爆発寸前のエスの怒りが頂点に達しようとしたその時。

「魔王様。あれは......」

「あぁ。街だ...」

 魔王は不敵な笑みを浮かべていた。

 周りの連中も少しばかりか不敵な笑みを浮かべていた。

「さぁ行こうか......」

 そして街に向けてまた歩きだした。


恩恵ギフトも手に入ったからここらでやるか......」

「「御意」」

 すると魔王達の間に話し声が聞こえてきた。

「なぁなぁ聞いたか?」

「何がだよ?」

「この間街中で喧嘩が起きた1人の奴が人を殺したらしいんだわ」

「おぉまじか…」

「そしたら殺した奴が燃えて焼け死んだらしい」

「え、なんでや?」

「街中で殺しをしたら罰がくだるっちゅう話らしいぞ」

「怖えなー」

 魔王達はこの話を聞き......

「街中で殺しはやめだ......」

 魔王は素直に諦めた。魔王が素直に諦めたのにたいしてサドシエル以外の3人が否定した。

「なんでですか?」

「なんで殺さないんすか?」

「な......んで?」

 3人はあの話を聞いた後でもなお殺しをしようとしていた。

「魔王様はあんなデマを信じるんですか?」

 すると魔王は殺気を込めて言った。

「あれは...デマじゃねーよ......」

 3人の肩はビクリとはねすぐに殺しをするという提案を取り下げた。

「すいませんでした」

「すいませんっす」

「ご......めん」

 魔王は3人を黙らせるだけの力がある。

 だから3人は魔王に従うのだ。

「とりあえずルールやゲーム等の情報が分かるところに行こうか」

「「御意」」

 そして魔王御一行は街中をゆっくりと歩きはじめた。

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命の判決断(ゲーム) 黒泉杏哉 @KYOYA0722

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