第11話 魔王御一行①


 魔王は4人の部下を率いて砂漠の真ん中を歩いていた。

 辺りには何も見えなく見えるのは一面に広がる砂漠の景色だけだった。

「なぁお前らこのお遊びは面白そうと思わないか?」

「思います」

「思うねー」

「思...う」

「思うわね」

 そう返事をしたのは魔王直属部下の4人の悪魔だ。

 この4人のことを通称四災害と呼んだ。


 第一の災害は人々が愛に飢え苦しみ愛を求めて奪い合い殺し合った。

 その災害を起こした奴の名は純愛のヴェスレット。

 第二の災害は人々は欲に飢え欲を満たすために人を殺し物を奪い人々を利用した。

 この災害を発祥させた奴の名は暴欲のサザ。

 第三の災害は人々が皆誰かに使え忠誠を誓い、死ぬまで動き、誰かのために死んだ。

 能力を使い災害を起こさせた奴の名は忠誠のサドシエル。

 そして最悪にして最厄の第四の災害は人々が怒り狂い本能の成すままに人々を殺し怒りで自我を保てなくなった。

 最悪にして最厄の災害を起こした奴の名は憤怒のエス。

 この4人は当時最厄四大魔王として恐れられた。だが突如現れた別の魔王により倒され敗北し魔王の称号はなくなった。

 そしてこの四人を倒し勇者を倒した者こそこの最悪で最厄の災厄な魔王である。

 全知全能の隻眼の魔王アラ。

 一つの世界をわずか数十分で滅ぼし原型がなくなるほど破壊した。


「魔王様。お疲れではないでしょうか?」

「あぁ。大丈夫だサドシエルよ」

「それはなにより」

 魔王達御一行はこの世界に来てからずっと砂漠の中を歩いているのだ。

「いつになったら着くんだよー」

「言葉を慎みなさいよサザ」

「いいよなヴェスレットは呑気でよー」

「なんですって?」

「あぁん?殺んのか?」

 2人の殺気がぶつかり合う。

「2人とも...... メッ」

 そう口にしたのは背は小さくて小柄で可愛らしい女の子だった。

「えーでも。」

「そーっすよ。こいつが悪いんですよ!エスー」

「2人とも......うるさい」

 小柄で可愛らしい女の子は最悪で最厄の災害をもたらしたというエスだった。

 エスには発言力がある。なぜならエスは圧倒的につよいからだ。

 そして 2人ともエスを怒らせると死ぬということが分かっているから逆らえないのだ。

「分かったわよ」

「分かったよー」

 そして2人はまた睨み合った。

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