第8話 恩恵①
石碑の前に立ち目を瞑る。別に何かを祈るわけではない。
何故か自然に目を瞑ってしまった。
目を開けるとそこに広がっていたのは綺麗な白い花が広がっている空間だった。
「ここはどこだ?」
さっきまでは石碑の前に立っていたはずなのに今は別の場所にいる。
しばらくすると目の前に人影が現れた。そして1人の女性?天使?女神?が現れた。
そして告げる。
「あなたには特別な
彼女が最後何を言ったのかは聞こえなかった。口の動きだけで声音は聞こえなかった。
気がつくと元の石碑の前に立っていた。
そして手に握っているもの。それはカードだった。
「魁童さん終わりました?」
「あ、はい。無事に終わりましたよ」
「とりあえず街に戻りましょうか」
「そう......ですね」
街に着くまで俺はずっと考えていた。
あの彼女が言おうとしていたことを。
「それではこれで。また会う機会があればその時はよろしくお願いします」
「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします」
金坂可憐とは別れた。
僕は今カードを片手にこの街の公園のベンチに座っていた。
「とりあえず見よ」
カードの色は黒かった。
そしてそこに書かれていた
『
能力・・・全てを断ち切ることが出来る。
「能力がいまいちよく分からない」
何を断ち切るのか。何が断ち切れるのか。使ってみないことには分からない。
「とりあえず使える時があれば使おう」
そう言って魁童は歩き出す。
一方魁童と別れたあと可憐は......
「あの人は人を殺していますね。そういう目をしています」
可憐は魁童と会った時から分かっていたのだ。
あの目が人を殺したことのある目だということを。
「あの人はこれから利用出来そうですわね。フフッ。楽しみです」
そして優しく微笑む。
「まだ私も
カードの色は青く書かれていた
『
能力・・・全てを凍りつかせ未来永劫凍らせることが出来る。
「なんと素晴らしい
可憐の雰囲気と冷徹な目付きとの相性がぴったしであった。
「殺しが
可憐は狂気の笑顔で笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます