第5話 勧誘⑤


 魔王は自分の爪を尖らせ、支配人を刺した。

 だが支配人は未来を見ていたかの如く魔王の腕を掴みそして放り投げる。

 魔王は投げられ騎士の銅像におもいきりぶつかった。

「貴様は......今何を......?」

「あー。わたくし能力を2つ持っているんですよー!」

「下等な人間如きがを受けているだと?」

「神から?まぁ何のことかは知りませんけどこの私の未来眼アブニールアイの前ではどんな攻撃も見通すことができるのです!」

「貴様に何故そのような力が......しかも我を投げ飛ばす程の力がその体のどこに?」

「あー。それは支配人権限です!」

「支配人権限だと......?」

「あなたは私がガードしたことで私を認めてしまった。故にお遊びへの参加が決まり、支配人である私には逆らえなかったのですよ!」

「そ......そんな我が......無意識にだと?」

「魔王様ー!お怪我ございませんか?」

「あぁ。大丈夫だ」

 魔王は困惑した表情と初めて恐怖というものを感じ始めていた。

「ちなみにですがこの世界以外の世界から人々が参加しています。無論、この世界の勇者よりも何倍も強い勇者がいますよ?」

 魔王はその言葉を聞き、無意識に笑っていた。

 狂気に満ちたその笑顔。強者と戦える喜び。

「いいだろう!是非我も参加させてもらうぞ!サドシエルよ!」

「は、はい魔王様!」

「他の3人も集めてこい!お主らも参加しろ!」

「分かりました!ただいま呼んできますので!」

 サドシエルは走って他のサドシエルクラスの者達を呼びに行った。

「支配人よ。全員殺しても構わぬのだな?」

「えぇもちろん!このお遊びはただの遊びじゃないですから!」

「ほう。それは?」

......バトルです!」

「面白い......実に面白い!愉快だ!これ程興奮したことはないぞ!」

「気に入ってくれてなによりです!」

「ではこの場所まで来てください!」

「わかった」

 支配人による魔王の勧誘は成功に終わった。


「これで主役と舞台は揃った!今こそ死のロワイヤルを遊びを始めよう!」

 支配人の顔には不敵な笑み。そしてかつてないほどの興奮を覚えていた。


「命の判決はバトルで!これが私が作る最高の遊びだ!」

 彼はそう言うとひたすらただ不敵な笑みで笑ったのだった。

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